2025.04.23 携帯型医療機器の中核に エイブリック、専用半導体の開発加速へ
viewphii64シリーズのチップセット
ミネベアミツミグループのアナログ半導体専業メーカー・エイブリックは、ハンドヘルド型の超音波診断装置向けに、小型・低消費電力を特長とするチップセット「viewphii(ビューフィー)64」シリーズを製品化している。同シリーズは、プローブからのパルス信号を処理するLSIと画像生成LSIで構成。ハンドヘルド型超音波診断装置のニーズが強い在宅医療やスポーツ医療の分野への展開を目指している。
同社は2016年に日立製作所から医療機器向け半導体事業を取得。昨年12月にはソシオネクストのメディカル事業も譲受したことで、ファームウェアや画像処理を含むシステム設計技術が加わり、製品開発力を一段と強化した。
viewphii64シリーズでは、チップを実装したプリント配線板「viewphii64-PCB」や、用途や診断深度に応じて4タイプを用意したプロトタイププローブも開発。研究用途などに提案を進めている。
受信ICや画像処理LSIの開発も進めており、今夏にも評価ボードを提供したい考えだ。小林真理チーフリーダーは「新たな領域への提案に注力するとともに、超音波診断装置市場でハイエンドからローエンドまで幅広く対応していく」と話した。
<執筆・構成=半導体ナビ>