2025.04.24 富士通、3月期連結は調整後営業利益など最高
富士通の2025年3月期連結決算は、主力のサービスソリューション事業が国内外で成長をけん引し増収増益となった。調整後営業利益は前期比15.8%増と大幅に伸長。調整後当期利益は同2.2%増で過去最高益を更新した。
国内・海外市場で展開するサービスソリューションは調整後営業利益が同22.2%増(過去最高益)と大きく伸び、デジタルトランスフォーメーション(DX)やモダナイゼーション(既存システムの最新化)需要を吸い上げた。事業ポートフォリオ変革の柱と位置付ける事業ブランド「Uvance」は前期比31.2%増、モダナイゼーションは同69.6%増と、いずれも計画を上回る成長を示した。
ハードウエアソリューションは同1.1%増収となったが、為替や部材コスト上昇の影響で調整後営業利益は同26.8%減と落ち込んだ。
ユビキタスソリューションは同7.9%減収となったが、低採算事業からの撤退により調整後営業利益は同29・6%増となった。
事業成長投資には同161億円増の2182億円を計上。AI(人工知能)や量子分野をはじめ経営基盤の強化に重点を置いた。ノンコア事業のカーブアウト(切り出し)も進め、新光電気工業や富士通オプティカルコンポーネンツ、FDKのデバイス関連事業は非継続事業に分類。富士通ゼネラルも株式譲渡を進める。
今期連結業績見通しは減収増益を見込む。磯部武司副社長CFO(最高財務責任者)は「サービス事業を中心に利益成長、収益性改善、株主還元強化を計画している。事業ポートフォリオの変革とAI・DX分野への集中投資を加速し、持続的な企業価値向上を目指す」と語った。