2025.05.07 半導体設計の担い手育成へ 日米で研修 ラピダス参画組合が募集開始

LSTCによる人材育成プログラムのイメージ図

昨年11月の会見の様子。左から東京大学の池田誠教授、LSTCの東哲郎理事長、テンストレントのジム・ケラーCEO昨年11月の会見の様子。左から東京大学の池田誠教授、LSTCの東哲郎理事長、テンストレントのジム・ケラーCEO

 技術研究組合「最先端半導体技術センター(LSTC)」が7日、半導体の設計人材育成事業の受講者募集を始めた。LSTCは最先端半導体の国内量産を目指すラピダスなどを研究と人材育成の両面から支える。今回募集するのは、ラピダスのパートナー企業の米国拠点での長期トレーニングで、国内での育成コースも近日中に募集を開始するという。

 北米半導体設計新興のテンストレントが、米国でのOJT(職場内訓練)研修を引き受ける。同社は設計した半導体をラピダスで製造するというパートナーシップを結んでいる。受講者は、テンストレントの日本オフィスで3カ月間にわたり事前トレーニングを受けた後、米国拠点で12~18か月のOJT研修に参加する。

 対象とする受講者は国内メーカーからの出向など、すでにある程度経験を積んだ技術者を想定している。具体的な講義・実習は、7月以降に実施する計画。1期あたり20人程度を見込み、第2期以降も募集を行う計画だ。

 米国でのOJTは「上級」にあたり、国内で行う「中級」と「初級」の育成コースも募る。5月中に募集を開始する予定。

 中級コースでは、東京大学、産業技術総合研究所(産総研)が運用するAI(人工知能)チップの設計拠点「AIDC」(東京都文京区)を活用する。

 初級コースでは、半導体設計に使うEDA(電子設計自動化)ツールの米国大手、ケイデンス・デザイン・システムズとシノプシス製の設計ツールを使いこなせるようにする。両社がグローバル向けに実施している設計技術認定プログラムを日本語で行う。

 この人材育成事業は、昨年11月に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業として発表され、年明けの募集開始を目指すとしていた。