2025.06.04 【JISSO PROTEC/JPCA Show特集】実装機動向 実装機軸にラインをスマート化
製品・設備は高度化が進展
SMTの工程は、基板に印刷された配線回路に合金はんだを印刷するはんだ印刷機、部品を基板に搭載する表面実装機、溶かしたはんだで部品を電気的に接続するはんだ付け装置、部品が正確に搭載されているかを確認する検査装置の四つで構成される。
実装機はSMTラインの中核的な設備・装置であり、部品搭載の高速化や高精度化が進展した。実装機は単なるプリント基板に電子部品や半導体を搭載する装置から、実装ライン全体をスマート化するプラットフォームへと変化してきた。
実装機とはんだ印刷機などをLANで結び、生産情報をデータ化する。ネットワークに接続されたデバイス同士が通信を行い、データの送受信や機器の自動制御などを行うM2M(マシンツーマシン)技術を駆使して装置間で情報のやりとりを行う。最終検査で部品搭載漏れなどの不具合が見つかるケースでは、その情報を実装機に送り、自動的に修正し、不良生産をなくす。
AMR(自律走行搬送ロボット)と連携した実装部品の入出庫・搬送自動化、基板実装後にコンデンサーなどを実装する後工程自動化装置、産業用ロボット活用、はんだ材料、ソフトウエアなど、業界ではさまざまな企業が活躍している。既存設備への機能後付け(レトロフィット)による投資コストの抑制も重要なポイントとなる。
表面実装技術と半導体製造後工程の融合が進展してきた。実装機は高速・高精度化が進み、半導体はボンディング・パッケージング技術の進化と多様化、フリップチップデバイスと電子部品の混載などが進展。表面実装工程と半導体後工程ではプロセスが異なるが、求められる技術は近接している。実装機各社は、半導体後工程での事業を拡大している。
市場は東南アジアやインドでの拡大が見込まれ、中国経済の底打ちからの反転も期待される。ユーザーサイドの生産拠点シフトにより需要はグローバルで流動性が高まっており、需要の捕捉、製品・サービスの提供体制のさらなる充実が求められる。