2025.07.08 GMOインターネット、AIエージェントでOSS開発者を支援

2025年2月から開始した「ネットのセキュリティもGMO」の第4弾

Vimなど著名OSSで10件以上のゼロデイ脆弱性を報告しているVimなど著名OSSで10件以上のゼロデイ脆弱性を報告している

 GMOインターネットグループは8日、「GMOオープンソース開発者応援プログラム」を始めたと発表した。技術者の協力を得るオープンソースソフトウエア(OSS)開発者を後押しする。初回の支援として、セキュリティー診断を担うAI(人工知能)エージェント「Takumi byGMO」をOSS開発者に無料で提供。ITインフラを支えるOSSのセキュリティー対策を強化するニーズに応える。

 自律的にセキュリティー業務をこなす今回のAIエージェントは、セキュリティー関連サービスのグループ会社「GMO Flatt Security」が開発した。検出が難しい潜在的な脆弱性も高精度に検知できる。

 ビジネスチャット「Slack(スラック)」のワークスペースに追加すると、手軽にソフトウエアの実装や設計のセキュリティーレビューなどを受けることができる。

 応援プログラムへ応募する際には、ソフト開発プラットフォーム「GitHub」でソースコードが公開されているOSSなどの条件を満たす必要がある。

 OSSの多くは、ボランティアによって支えられ、セキュリティー対策のための資金や人材が不足している。その結果、脆弱性が放置され、インターネット全体の安全性に影響を及ぼすリスクが高まっている。

 ソフトの脆弱性の報告件数は年々増加する傾向にある。米政府機関が運営する脆弱性データベース「NVD」によると、セキュリティー上の弱点を識別するためのCVE(共通脆弱性識別子)の公開件数は、2019年の1万7305件から増加。24年には約2倍の3万9974件に達した。

 こうした状況を踏まえてGMOインターネットグループは、応援プログラムを通じて、ITインフラの信頼性向上に向けて貢献したい考えだ。