2025.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】東京応化工業 先端レジストなど開発で成長へ
東京応化工業は、半導体の進化を支えるフォトレジストを含むエレクトロニクス機能材料や現像液などの高純度化学薬品を手掛け、ここ数年、好調に業績を拡大している。
大森克実取締役執行役員開発本部長は、最近の事業動向を「半導体市場は生成AI関連により活況で、先端ロジック半導体やDRAMが好調に推移している。当社はこれらの分野で高いグローバルシェアを有する。特に先端ロジックは、4ナノ、5ナノレベルの量産化が進み、EUV(極端紫外線)レジストの需要も伸びている。HBMはArFレジストやKrFレジストが中心。パッケージのバンプ形成用レジストや再配線用レジストも好調」と説明する。
同社は、長期ビジョン「TOK Vision 2030」のありたい姿に、2030年度売上高3500億円を掲げ、バックキャストで策定した3カ年計画「tok中期計画2027」を今年度からスタートした。
経営ビジョンは「豊かな未来、社会の期待に化学で応える〝The e-Material Global Company〟」。
大森取締役は「半導体市場は今後も高成長が見込まれるため、われわれもオーガニック成長していく。技術革新を推進し人財育成にも力を入れる。常に社会的な課題解決を念頭に置く」と話す。
同社は顧客密着戦略を重視し、海外拠点においても、現地で開発から製造、営業まで三位一体で対応できる体制づくりを進めている。「情報端末」「クラウド」「センシング&IoT」「グリーンエネルギー」の4分野を半導体の成長分野に位置付け、先端材料からレガシー材料、パッケージ材料までのフルラインアップを供給していく。
「当社は売り上げの8%程度を毎年研究開発費に充当している。今中計期間は3カ年で520億円の投入を計画し、先端レジストや次世代パッケージ材料、表面改質剤などの開発を進めることで、30年のありたい姿への仕込みを行う」(大森取締役)。
先端半導体分野では、2ナノ以降の量産化などに照準を合わせ、「顧客のEUVプロセスの生産性向上に寄与する技術開発を進める」(大森取締役)。
パッケージ用は、バンプ形成用レジストや再配線用レジストなどのほか、光電融合技術も追求する。