2025.10.22 アンリツ、オーストリアの計測器企業の子会社化完了 EV・電池分野の開拓へ
アンリツは22日、電力関連の計測器事業を手がけるオーストリアのDEWETRON(デュートロン)の全株式を取得し、完全子会社化を完了したと発表した。デュートロンが持つ幅広い顧客層を生かし、通信計測以外のビジネス機会を拡大。特に電気自動車(EV)や電池関連の分野でシナジー(相乗効果)の最大化を狙う。
デュートロンは、オランダの産業機器メーカーであるTKHグループの子会社。アンリツは、同社からデュートロンの全株式を取得し完全子会社化するための株式譲渡契約を締結していた。21日に株式譲渡の手続きが完了した。
アンリツは、2022年に電池の充放電試験装置などを主力とする高砂製作所(川崎市高津区)を子会社化し、EV向け電池の試験装置に本格進出した。今回、デュートロンを迎え入れることで、高砂製作所が持つ大容量電源や充放電試験装置、さらにアンリツの計測事業で培った試験システム構築技術とのシナジーを最大化。温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル社会の実現に貢献していく。
デュートロンは、電力をはじめとしたさまざまな物理量を高速でデータ収集し分析する計測器を提供している。