2025.11.13 田中貴金属工業、プローブピン用ロジウム材料「TKーSR」発表 世界初の高強度・高弾性限・高硬度・高導電率を同時達成
TKーSR
田中貴金属工業(東京都中央区)は12日、半導体パッケージ製造の前工程で使用されるプローブカード向けプローブピン用ロジウム(Rh)材料「TK―SR(ティーケーエスアール)」を発表した。世界で初めて高強度・高弾性限・高硬度・高導電率を同時に達成し、変形が少ないためプローブカードの長寿命化と低コスト化に貢献する。11月末頃からサンプル提供開始する。
TK―SRは、プローブピン用ロジウム材料として、従来のプローブピン向け材料では不可能だった、高強度・高弾性限・高硬度・高導電率を同時に達成した。このため、プローブカードの長寿命化や低コスト化が期待できるという。
ロジウムを素材とするプローブピンは、ロジウム自体の物性から、ほかの材料に比べて高強度・高弾性限・高硬度・高導電率を同時に達成できることが期待されていたが、導電率が重要視されていたため、強度・弾性限・強度が制限されていた。
同社は今回、独自の加工技術により、高強度・高弾性限・高硬度・高導電率を兼ね備えた製品の開発に世界で初めて成功した。線径18μmまで提供可能なため、より微細化が進む最先端半導体パッケージの狭ピッチの精密検査にも対応可能。同製品の販売では、2030年までに既存製品の2倍強の出荷量達成を目指す。
プローブカードは、半導体前工程でシリコンウエハーの通電検査をする際に用いられる道具。1枚当たり数千本から数万本の精緻なプローブピンが使用される。通電検査は微小な荷重をかけ、数十万回、場合によっては数百万回と繰り返し行われる。プローブピンは1本でも変形や折れが発生するとプローブピン交換が必要となり、装置によってはプローブカード自体の交換も必要となるため、繰り返しの荷重でも変形や折れが生じない耐久性が要求される。高強度・高弾性限のTK―SRの採用により、プローブピンの変形や折れが低減できるため、部材交換の頻度が減少する。









