2025.11.25 ソフトバンク、デジタルツイン技術を活用したIPネットワーク運用自動化システム開発 メトロネットワーク運用自動化を全国展開へ 国際認定も国内初取得

デジタルツインを活用したIPネットワークの運用自動化システム

 ソフトバンクは25日、デジタルツイン技術を活用したIPネットワーク運用自動化システムを開発し、全国規模でのメトロネットワーク運用に本格導入を開始したと発表した。今回のシステムは、通信業界の国際的な業界団体 TM Forum が定める「Autonomous Networks(自律型ネットワーク)」の「IP Fault Management」シナリオで、国内企業として初めてレベル3(条件付き自律)の認定を取得した。

 同システムは、ネットワーク機器のわずかな変化を捉えサービスに影響を及ぼす前の「予兆」を検知する「予兆検知基盤」と、障害発生時に迂回可否を自動で判断する「迂回可否自動判定システム」を組み合わせて構成。この仕組みにより、人手による異常検知から復旧対応が不要なゼロタッチ運用を実現し、障害対応の迅速化や運用工数の大幅削減につなげる。

 ネットワーク運用は一般的に①異常検知②迂回制御などによる復旧措置③機器復旧④ネットワーク正常確認-の流れで行われる。ソフトバンクはこれまで運用自動化を進めてきたが、特に迂回可否判断の自動化が大きなハードルとなっていた。そこで、膨大な機器設定情報や作業・アラーム情報をリアルタイムに取得し、デジタルツイン上で状況分析し判断を下す迂回可否自動判定システムを開発した。

 従来はSNMPなどを用いて機器状態を監視していたが、機器機能に依存するなどの課題があった。今回新たに設けた「予兆検知基盤」では、システムの状態情報を高頻度・リアルタイムに収集するTelemetryを活用して多様な機器から従来比約5倍の頻度でデータ取得を可能とし、サービス影響の前兆を早期に捉えることでネットワークのさらなる信頼化を実現した。

 今後は生成AIなど先端技術も取り入れつつ、さらにレベル4(高度自律運用)相当の実装に向けた運用高度化を進め、コアネットワークなど他領域への本システム展開も図っていく。