2025.11.05 ソフトバンク、25年4~9月も最高益更新 非通信事業が全体の6割超に AI商材・PayPay好調

 ソフトバンクが5日発表した2026年3月期第2四半期(25年4~9月)連結決算は、売上高が前年同期比8%増の3兆4008億円、営業利益が同7%増の6289億円、純利益が同8%増の3488億円となり、いずれも過去最高を更新した。通期計画に対する進捗率は売上高51%、営業利益63%、純利益65%と順調に推移しており、通期7兆円の大台到達が視野に入った。

 宮川潤一社長は「全セグメントで増収増益を達成した。PayPayを中心とするファイナンス事業が倍増し、ディストリビューション事業もAI(人工知能)関連商材の伸びで過去最高となった」と強調した。
 コンシューマ事業は売上高1兆4757億円で同3%増、営業利益は3309億円と同3%増。スマートフォン契約数は前年同期比3%増の約3300万件となり、安定成長を続けた。ブロードバンドや電力とのセット利用を推進し、長期契約者の拡大に注力する。

 エンタープライズ事業はクラウドやセキュリティーなどのソリューション需要が堅調で、売上高4820億円(8%増)、営業利益1041億円(10%増)と過去最高を記録した。

 ディストリビューション事業はAIサーバーやIoT商材の販売が好調で、売上高5058億円(17%増)、営業利益220億円(36%増)と高成長。サブスクリプションモデルへの転換で継続収入も拡大し、年間売上1兆円の突破が見えてきた。

 メディア・EC事業(LINEヤフーなど)は売上高8228億円(4%増)、営業利益1675億円(13%増)。ファイナンス事業はPayPayのGMV(決済総額)が25%増の9.2兆円となり、売上高1897億円(24%増)、営業利益385億円と倍増した。

 非通信分野の売上比率は63%に達し、宮川社長就任時の47%から大幅に拡大した。宮川社長は「DX、フィンテック、AIなど非通信領域の拡大が成長の柱となっている。法人向けビジネスをコンシューマーに匹敵する規模に育てたい」と述べた。

 通期業績予想は据え置いた。