2025.10.31 村田製作所、25年4~9月期増収増益 サーバー向けコンデンサーが寄与

 村田製作所が31日発表した2026年3月期第2四半期(25年4~9月)連結決算は、増収増益となった。高周波モジュールや樹脂多層基板のスマートフォン向けが減少したものの、コンデンサーのサーバーや代理店向けが堅調に推移。為替変動が業績に響いたが、売上高で前年同期比2.2%増の9027億7800万円を確保した。営業利益は、製品価格の値下がりや固定費の増加といった減益要因もあったが、同4.4%増の1651億3600万円を計上した。

 売上高を主要事業別にみると、コンポーネント部門はサーバーや代理店向けが堅調だった積層セラミックコンデンサー(MLCC)やインダクターなどのコンデンサーが寄与し、同9.1%増の5656億4800万円。一方で、高周波部品やエナジーパワーなどのデバイス・モジュール部門は、同8%減の3297億6500万円となった。

 通期業績予想は、売上高が4月予想から1000億円増の1兆7400億円、営業利益で600億円増の2800億円と、それぞれ上方修正した。スマホやモビリティー製品の台数増の見込みと円安進行などを織り込んだ。

 同社の中島規巨社長は会見で、「課題はMLCCへの依存度を減らすこと。関税政策による景気後退の縣念もあるが、AI(人工知能)データセンター向けの部品需要は堅持したい」と語った。