2025.11.28 中国・蜂飛航空、世界初の水上バーティポート開発 「低空経済」加速へ

Autoflight の水上離発着場のイメージ

 空飛ぶクルマを開発している中国の蜂飛航空科技(Autoflight)は、CATL(寧徳時代新能源科技)の協力を得て、世界初の移動式水上バーティポート(浮体式離着陸場)を開発した。 

 バーティポートは、電動垂直離発着機(eVTOL)の開発とともに設置の必要性が迫られており、eVTOL メーカーなどが設置を急いでいる。しかし陸上では、需要の多い都心に近い場所の確保が難しいのが現状。今回のバーティポートは、水上で離発着できるように設計されており、開発には同社への出資企業で世界最大の電池メーカーCATLが協力している。

 eVTOLが水上でも離発着できるようにAutoflightとCATLは、太陽光蓄電システムと充電設備付きの低炭素運用を実現したプラットフォームやインテリジェント機能の運航管理システム、通信インフラなどを共同で装備した。

 Autoflightによると、水上離着場は完全電動式のため、沖合の風力発電所、油田、海上救助、通勤、観光などでの用途が見込めるという。Autoflight製eVTOLの対応機種では、6人乗りの「Prosperity」や2トン級の貨物機「CarryAll」が、今回の水上離発着場で利用が可能という。

 Autoflightは11月22日午後、上海と江蘇省昆山市の境界にある淀山湖で複数機によるデモ飛行を実施。水上からの離着陸や編隊飛行、緊急物資の投下などを行い、水上離着陸場の使い勝手を試している。

 中国では、エアタクシーに代表される「低空経済」を国家戦略として推進。2030年までに主要港湾や洋上風力発電所の50%以上に水上離発着場を設置したい考えだ。また同社は、日本市場への進出にも意欲的で、昨年11月に岡山県の岡南飛行場でeVTOL の試験飛行を実施している。