2025.12.13 ダイヘン、防災用蓄電池パッケージ発売 国内初の消防認定取得
会見に臨むダイヘンの服部執行役員
ダイヘンは、リチウムイオン電池を採用した消防・防災設備用の非常用電源「防災用蓄電池パッケージ」を15日に発売すると発表した。国内初の消防認定を取得した製品。非常時だけでなく平常時の再エネ活用拡大などでも有益で、「低騒音」「振動・排気ガス無し」「電気料金・メンテナンス費用削減」など、蓄電池ならではの価値を多く備えた。
新製品は、7月30日の消防法改正により常用・非常用兼用のリチウムイオン蓄電池が非常用電源として設置可能となったことを受け、開発を推進。非常用電源市場の新しい選択肢として提案する。
防災用蓄電池パッケージは「安定・安全な稼働」「コストメリット」という二つの特徴を持つ。平常時も活用することで、非常時の不始動や異常停止を未然に防止し、低騒音を実現できる。さらに、振動・排気ガス(黒煙)の発生が無く、稼働時の環境負荷の軽減にもつながる。
コスト面では、電気料金やメンテナンス費用の削減などにより、運用開始後20年間のトータルコストをディーゼル発電機との比較で10%以上削減できる。
また、平常時に電力のピークカットや電力量単価が安い時間帯の電気を充電し使用することで、電気料金を削減。自家消費型の太陽光発電設備が設置されている施設では、余剰電力を蓄電池に貯めて使用することで、電気料金の削減につなげる。
そのほか、ディーゼル発電機では必要となる負荷試験、燃料やオイル、冷却水といった消耗品の交換が蓄電池ではすべて不要で、メンテナンス費用の大幅な削減につながるで。
非常用電源は、日本全国で介護施設や病院、工場、商業施設、ビル、公共施設などに約20万台が設置されている。現在は、大半が非常時のみ稼働するディーゼル発電機。電源の容量は100KW以下の小容量クラスが7割以上を占める。直近3件間の平均出荷台数は、年間約5800台に達するという。
同社執行役員の服部将之EMS事業部長は「非常用電源の100KW以下の小容量クラスをターゲットとし、年間4000台の販売を目指す」と語った。









