2025.12.16 パナソニック、苦み塗布したコイン形リチウム電池 子どもの誤飲防止に一手
子どもの誤飲防止に貢献するパナソニック エナジーのコイン形リチウム電池
パナソニック エナジーは、コイン形リチウム電池の新製品を10月に発売した。国内メーカーとして初めて電池本体に苦み成分を塗布し、乳幼児の誤飲事故のリスク低減に貢献する。
同社が未就学児の保護者を対象に実施した「家庭内事故に関する調査」では、不安に感じている家庭内事故の1位は「誤飲」という結果となった。特にクリスマスや帰省など、普段と違う環境では事故のリスクが高まるため、年末には対策の見直しが求められるところだ。
誤飲の対象には、コイン形・ボタン電池が上位に入っている。約3割の保護者が対策をしても完全に防ぎきれないと考えており、家庭での注意に加え、メーカーの安全設計への期待が高まっている。
このような結果を受け、パナソニック エナジーは、国内メーカーとして初となる苦み成分を塗布したコイン形リチウム電池を開発した。苦み成分は電気を通しにくいという課題があったが、電池表面の中央を避けて苦み成分を塗布したことで通電への影響を最小限に抑えた。
苦み成分には、「安息香酸デナトニウム」を採用。おもちゃなどに塗られているものと同等の苦みで、苦みを感じやすい子どもにとっては誤飲した際に吐き出しやすくなっている。
子どもの力では開封しにくく、誤飲防止を促すイラストを掲載した誤飲対策パッケージも採用した。子どもの力でパッケージを開封することが難しく、大人がはさみで開ける設計だ。
より安心して保存できるよう設計改良も行い、製品の使用期限は従来の5年から10年に延長した。
苦み成分塗布のコイン形リチウム電池は来年4月以降、世界の36カ国以上で販売を開始する計画だ。パナソニック エナジー国内マーケティング部の福山統之氏は「今後も安心安全を最優先に、社会課題の解決に向けた製品開発に取り組んでいく」と力を込めた。










