2026.04.25 西菱電機、大和郡山市にIP同報無線システム納入 携帯電話回線活用し防災情報を一斉配信

設置した屋外スピーカー設置した屋外スピーカー

屋外スピーカー整備で伝達の確実性向上


 西菱電機は24日、奈良県大和郡山市に携帯電話回線を活用した防災無線「IP同報無線システム」を納入したと発表した。住民への情報伝達の確実性を高め、一括配信による迅速な発信体制を実現した。Jアラートの受信状況を24時間監視し、バックアップ体制も充実させた。

 納入したシステムは、携帯電話回線を活用し、市役所から屋外スピーカーや戸別受信機などを通じて、住民へ防災情報などを一斉配信できる次世代の防災無線。Jアラート(全国瞬時警報システム)と連携し、国が発信する緊急情報を自動配信することもできる。

 一般の携帯電話回線とは切り離された専用の通信網(閉域網)を利用する。災害時に回線が混雑した場合でも影響を受けにくく、緊急時でも安定した運用を実現する。既存の携帯電話基地局を利用するため、中継局などの設置が不要となり、整備コストの削減にも貢献する。

 大和郡山市では、市民への情報配信で、これまで登録制の防災メールや市の公式LINEなどを中心に運用してきた。一方、事前登録が必要なことや、個人の通信環境、スマートフォンなどの利用状況に左右される面があり、より直接的で確実に情報を届けられる手段が求められていた。市内西端などの土砂災害警戒区域や浸水想定区域での情報伝達体制の強化も課題となっていた。

 今回納入したシステムでは、土砂災害警戒区域を中心に市内10カ所に屋外スピーカーを整備した。一斉放送により、住民へ直接情報を届けられる。従来の登録制メールやLINEなどに加え、屋外スピーカーでの放送という複数の伝達手段を組み合わせることで、緊急時の情報伝達の確実性を大幅に高めた。

 同システムの操作画面から、登録制メールやLINEなどへ一括で情報を配信できる仕組みも構築した。市職員がパソコンやスマートフォンから各サービスへ配信できる既存の情報配信システムとも連携し、そこから防災無線の放送もできる。これにより、市職員の運用負担を抑えながら、迅速な情報伝達を可能にした。

 複数の携帯通信会社の回線に対応するモバイル通信サービス「amane Wi-Fi」も同時に整備した。特定の通信キャリアで通信障害が発生した場合でも、その場で最も安定した回線に自動で切り替わる仕組み。災害時でも市役所と避難所間などで通信途絶リスクを最小限に抑え、迅速な情報共有と対応を可能にする体制を確立した。