2026.05.15 富士通と東京科学大、量子・HPC拠点設立 量子ハード人材を育成 制御・校正技術を共同研究
富士通と東京科学大学は15日、量子ハードウエア技術の研究開発と人材育成に向け、同大学に「富士通量子・HPC基盤協働研究拠点」を設立したと発表した。量子コンピューターの制御技術や、AI(人工知能)を活用した量子ゲート校正技術を共同で研究する。実践的な教育も進め、次世代の量子計算基盤を支える人材の育成につなげる。
同拠点は、富士通が大学内で進める「富士通スモールリサーチラボ」の一環。東京科学大の協働研究拠点制度を活用し、同大学産学共創機構オープンイノベーション室の支援を受ける。これまで両者が進めてきたハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)分野の共同研究に、量子ハードウエア分野を加える。
量子コンピューターは材料開発、創薬、金融、製造など幅広い分野で活用が期待される。一方、実用化には多数の量子ビットを高精度に制御する技術が欠かせない。量子ビットチップの設計や製造、制御、評価までを担う専門人材の育成も課題となっている。
新拠点では、高い量子演算忠実度を実現する制御技術の確立を目指す。量子ビット数の増加に伴って複雑化する制御・校正作業を効率化するため、AIを活用した量子ゲート校正技術の開発も進める。
人材育成では、量子コンピューターに関する理論教育に加え、量子ビットチップの設計や製造、制御・計測など、研究開発の実プロセスに即した実技教育の場を提供する。学生が量子ハードウエア技術を体系的、実践的に学べる環境を整える。
量子テーマ拠点は大岡山キャンパス(東京都目黒区)に設け、設置期間は2026年4月1日から27年3月31日まで。HPCテーマ拠点は横浜キャンパス(横浜市緑区)で運営し、AIとHPCアプリケーション高速化に向けた次世代コンピューティング基盤技術を研究する。両者は今後、古典計算と量子計算を連携させた次世代計算基盤技術の創出を目指す。







