2026.05.26 ダイキン、ポーランドのヒートポンプ暖房機新工場で開所式
開所式には十河会長をはじめダイキン関係者や現地政府関係者が出席した
ダイキン工業の欧州地域統括会社ダイキンヨーロッパ社は、ポーランド・ウッチに新設したヒートポンプ暖房機生産拠点の開所式を5月21日に開催した。
新工場は、約3億ユーロを投資して新設したもので、同社の欧州生産体制における重要な拠点と位置付ける。
主に住宅用ヒートポンプ暖房機を生産し、欧州での持続可能な暖房ソリューション需要の拡大に対応する。
欧州のヒートポンプ暖房機需要は、各国の補助金政策の見直しなどにより需要が減速したため、まだ本格的には回復していない。
ただ、長期的には二酸化炭素(CO₂)排出削減の観点で燃焼暖房からの置き換えが進むと見られ、新工場では需要に合わせ、柔軟な生産体制で臨む方針だ。
開所式には、ポーランド政府関係者、駐ポーランド日本国大使、地元自治体、サプライヤー、パートナー企業に加え、ダイキン工業、ダイキンヨーロッパ社、ダイキンマニュファクチュアリングポーランド社の経営幹部が出席した。
ダイキン工業の十河政則代表取締役会長兼CEO は、「新工場の設立は、ダイキンのグローバル展開における重要なマイルストーンであり、『市場に近い場所で生産する』という当社の長年の考え方を体現するもの」などとあいさつした。
「欧州における生産体制を強化することで、現地のニーズに迅速に対応するとともに、地域社会との長期的なパートナーシップの構築につなげていく」(十河会長)方針だ。
長期的な成長を見据えた戦略拠点
ポーランドに新工場を設立した背景には、高度な技能を有する人材、充実した産業・学術基盤、欧州の主要市場への優れたアクセス環境がある。
中でもウッチは、長年にわたって製造業とイノベーションの拠点として発展してきた歴史を持ち、長期的な事業展開に適した環境を備えている。
ダイキンマニュファクチュアリングポーランド社の平岡保人取締役社長は「ポーランドは、ダイキンが長期的な成長を実現する上で必要な能力と環境を備えている。パートナー企業や地域社会と連携し、地域の持続的な発展に貢献していく」などと語った。
ダイキンヨーロッパ社では、新工場が単なる生産拠点にとどまらない役割を担うと位置付ける。ヒートポンプ暖房機の現地生産を通じ、化石燃料に依存した燃焼暖房からの転換を支援するとともに、CO₂排出削減やエネルギー効率向上への貢献を目指す。
ダイキンヨーロッパ社の三中政次取締役会長は「この工場は、ダイキンだけでなく、欧州全体にとっても重要な意味を持つ。ヒートポンプ暖房機の現地生産は、欧州におけるエネルギー転換を加速させ、サプライチェーンの強靭化(きょうじんか)や、持続可能な産業基盤の構築にもつながる」と述べた。
新工場は、顧客ニーズへの迅速な対応や省エネソリューションの安定供給の実現を通じ、同社の「市場最寄化戦略」をさらに強化する。
2025年にベルギー・ゲントに設立したダイキンの研究開発拠点とも連携し、先進技術の量産化を加速していく。
また、同工場では、生産拠点の役割に加え、人材育成や地域社会、パートナーとの長期的な関係構築を通じて、地域経済の発展にも貢献する。
ポーランドのMichał Jaros開発・技術副大臣は、新工場について「ポーランドの産業発展と欧州のエネルギー転換における重要な一歩。こうした投資は、製造基盤の強化、質の高い雇用創出、地域における技術やイノベーションの発展につながる」とし、期待を寄せた。









