2026.07.17 シャープ ノエトラに出資、国産AI基盤モデル開発を推進へ

鴻海との連携でも、AIを核に事業成長を飛躍的に高める方針(2026年6月9日開催事業説明会資料より)

 シャープは、ソフトバンク、本田技研工業などが主導するNoetra(ノエトラ、東京都渋谷区)に出資し、国産AI(人工知能)基盤モデルの実現に向けた枠組みに参画した。

 ノエトラは7月1日に事業を開始。AIロボットやフィジカルAIの開発基盤となる国産マルチモーダル基盤モデルの研究開発を推進している。

 また、ノエトラと産業技術総合研究所(産総研)が提案したプロジェクトは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業」に採択され、2030年度までの総事業規模は約1兆円が見込まれている。

 ノエトラには、電機、自動車、製薬、建設、金融など、製造業を中心とした幅広い業種より国内有力企業44社が出資する。

 AIは今や不可欠な社会インフラで、フィジカルAIとして社会実装が進むことで、日本が抱えるさまざまな社会課題の解決に貢献することが期待されている。

 日本では海外の大規模AI基盤モデルへの依存度が高く、日本の生成AIの競争力強化と産業競争力の向上の観点や、経済安全保障の観点からも、ノエトラが推進する国内での開発・運用が可能なAI基盤モデルを確保することの重要性が高まっている。

 一方、シャープは6月の事業説明会で、「暮らす」「働く」のあらゆるシーンにAIを掛け合わせ、人の未来を開くことを目指すと表明した。

 この方針のもと、既存事業の強化と変革を推進することに加え、AIサーバー、衛星通信(次世代通信)、EV(電気自動車)などの新規事業の立ち上げを加速し、新たな成長ステージへの移行を進めていく。

 また、鴻海精密工業との連携でも、AIを核に両社のビジョン実現に向けて互いの強みを融合することで、各事業(既存・新規事業)を飛躍的に成長させていく方針だ。

 ノエトラが推進する取り組みは日本にとって極めて重要であり、シャープは、フィジカルAIの社会実装に関する知見や動向を早期に把握し、AI事業に生かす狙いから、同枠組みへの参画を決めた。

 今後、シャープは出資を通じて国産AI基盤モデルの実現に貢献するとともに、知見や技術を同社の事業展開に活用することで、社会課題の解決に取り組む。