2026.07.06 【電子部品技術総合特集】AI関連機器向け電子部品動向 日系電子部品メーカー、AI関連部品の技術開発さらに強化

AIサーバー向けの差動クロック用水晶発振器

次世代AIサーバー・DC向けの提案加速

 電子部品メーカー各社のAI(人工知能)関連市場に照準を合わせた技術開発の取り組みが一段と加速している。AIサーバー・データセンター(DC)は、技術進化のスピードがますます速まり、搭載部品への技術要求も一層高度化している。また、エッジAI端末やフィジカルAIなどの分野でも、電子部品技術の高度化への要求が強まっている。電子部品各社は、急速に拡大するAI関連市場を技術開発戦略における最重点分野に位置付け、積極的な経営資源投入を推進する。

 世界のAIサーバー市場は、生成AIの普及拡大や米系ハイパースケーラーの大規模投資を背景に急激な拡大が続いている。加えて、高性能なAIサーバーは、一般的な汎用サーバーと比較し、機器1台当たりの電子部品点数増も見込まれているが、そうした員数の増加速度も当初の予想を上回る伸びとなっている。特に積層セラミックコンデンサー(MLCC)などは員数が大幅に増加する。

 このため、電子部品業界では、AIサーバー/DC市場重視の姿勢を一段と強め、次世代AI DCでの高速大容量化への対応や、DCの消費電力増大に対処するための部品開発を活発化させている。

 DC市場では、2023年に800Gbps伝送対応製品の投入が始まり、本格普及が進んでいるが、今後はDC内の光ネットワークは1.6Tbpsへの移行が進む見込みで、既に1.6Tbps光トランシーバー向け部品の量産も始まっている。さらに3.2Tbps対応の開発も進展している。

 これらに対応するため、コネクターや水晶デバイス、プリント配線板などのメーカーでは、次世代の高速伝送ニーズに対応する新製品開発を加速させている。

 加えて、世界的なAI DC需要急増は、その処理に要する消費電力量を爆発的に増大させている。AIサーバーは、GPU(画像処理半導体)の高性能化により、汎用サーバーとは桁違いの電力が必要。次世代のDCでは、GPUの性能が一段と高性能化し、電力消費量はますます増加する。

 DCではサーバーマザーボードでの電力消費に加え、冷却用空調設備や付帯設備でも膨大な電力が消費される。このため、電子部品各社は、これらの課題解決に向けた技術開発を加速させている。

 将来のDCでは省エネルギー化のため、サーバー冷却方式の液浸冷却シフトが予想されている。さらに、高速・低消費電力でのデータ伝送実現に向け光電融合の導入も期待され、これらに対応する電子部品開発も進む。

 AIサーバーに搭載される電子部品に対する仕様要求は厳しく、高い品質性能や長期信頼性などが求められる。経済安全保障の観点から、サプライチェーンに関する要求も厳しい。電子部品各社は、これらを満足する高品質な製品開発と安定的な供給体制構築に全力を注ぐ。