2026.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】NECネッツエスアイ 大野道生代表取締役執行役員社長兼CEO兼CENO
A I実装へ共創スパイラル加速、パートナーの技術を顧客価値に
2026年度前半の市場環境は堅調に推移した。サーバーやメモリーの供給に不透明感が残るが、サイバー攻撃への警戒は強まり、ネットワークとセキュリティーへの需要は底堅い。生成AI(人工知能)の活用も検討段階から実装へ移り、顧客との対話は具体性を増している。後半もこの基調は続くとみる。
AI活用が広がるほど、情報漏えいや不正利用、トークンコストをどう管理するかが課題になる。クラウドとオンプレミス(物理環境)の選択肢を用意し、ルールを守るための「ガードレール」で管理する必要がある。最新機器の導入だけでなく、既存設備を更新して使う、一定期間の運用を当社が担うなど、顧客の投資計画に合わせた段階的な道筋を示していく。
7月に戦略的パートナーシップを結んだ米TinyFishは、ウェブ上から鮮度と正確性の高い情報を集め、構造化する技術を持つ。まずは災害時に錯綜する情報から事実を抽出し、意思決定を支える「TinySonae」の取り扱いを始めた。顧客環境で有効性を確かめた上で横展開し、AIエージェントのトークンコスト最適化にもつなげたい。
当社が目指すのは、構想・提案、実装、運用、価値創造・向上を循環させる「共創スパイラル」だ。導入を目的とせず、顧客の業務や組織運営まで見直し、成果を次の提案へつなげる。継続的に価値を生むには、AI活用やデータドリブン経営に加え、仕事の進め方や時間配分を見直すベースマネジメントが一層重要になる。
協業の成果も形になり始めた。衛星データとAIで出店候補地を探す不動産AIツール「WHERE」をトリドールホールディングスに提供したほか、IoT機器が状況に応じて最適な通信回線を自動選択する次世代通信基盤の研究開発にも取り組む。技術が優れていても、顧客の課題に沿った言葉で価値を伝えなければ届かない。パートナーの技術を深く理解し、当社のネットワーク、セキュリティー、運用力と組み合わせて市場へ届ける力を磨く。
AIが業務を担う時代ほど、最後に問われるのは人の判断だ。効率だけを追わず、越えてはいけない一線を見極めるインテグリティーを大切にしながら、顧客と共に変革を進めていく。







