2026.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】大塚商会 大塚裕司代表取締役社長
「まるごと」を軸に成長加速、AI活用し提案力に磨き
2026年12月期中間期は、売上高と各利益が4年連続で過去最高となった。半期の売上高が18年の年間売上高とほぼ同じ規模になり、改めて成長を感じる。Windows10サポート終了に伴う特需が一巡し、物不足も続く中で予想を上回れたのは、当社の総合力の成果だ。
山があれば谷が来ることはわかっていた。数年前から保守などのストックビジネスを伸ばし、26年上期は2000億円を超えた。同時に「オフィスまるごと」の提案を現場に定着させた。複合機が不要と言われたら帰るのではなく、お客さまに寄り添い、クラウドやセキュリティーなど別の困り事を聞く。1社当たり売上高は約1.5倍に伸びた。特需で消えた需要を補う、見えないエンジンになっている。
AI(人工知能)は「まるごと」を支える道具でもある。社内では訪問先を薦める営業支援に使い、既存顧客との距離や深掘り余地に応じて条件を調整している。毎月のマネージャー会議では、AIの提案リストを使った成果や「まるごと」の成功事例を共有し、現場へ横展開する。こうした積み重ねが実行力を生む。
顧客向けAIも強化する。JAPAN AIとの資本業務提携を通じ、専門知識がなくても現場がAIエージェントを作れる環境や業種別テンプレート、伴走支援を充実させる。こうした提携は、互いの信頼を深め、良い製品を仕入れながら事業を共に伸ばすための手段と考えている。
複合機やコピー用紙の市場は縮小しているが、当社は落ち幅を抑え、月によっては伸びている。現場に「手足」を持つ強みがシェア拡大につながった。残存者利益を得られる局面に入ったといえる。中小企業との接点を守り、幅広い需要に応え続ける。
セキュリティーも、後回しにできるコストから事業継続に欠かせないものへ変わった。サプライチェーンの評価制度が具体化すれば、中小企業にも対応が求められる。わかりやすく手頃なサービスを用意し、安心を支えるのが当社の役割だ。
下期もパソコンやサーバーの調達難は続く。確保できる在庫を積み増して備えたが、物不足を言い訳にはしない。ストック、まるごと、科学的営業を愚直に続け、特需反動の中でも増収を目指す。







