2026.09.03 セミコン台湾2026が開幕 AI半導体、2035年3兆ドル市場へ 先端技術と国際連携の方向性示す
オープニングセレモニーの様子
【台北】アジア最大規模の半導体製造装置・材料関連の見本市「セミコン台湾2026」(主催=SEMI)が2日、当地で開幕した。世界の半導体産業をリードする台湾で開かれる同展には、先端ロジックデバイス、メモリー、光半導体などの最新製造技術が一堂に会する。会期中はさまざまなイベントを開催し、AI(人工知能)を支える最先端半導体の新たな技術や方向性を示す。会期は4日まで。
「AI技術の主軸がモデル学習から大規模推論、自律型AI(エージェンティックAI)へシフトする中、半導体市場はかつてない速度で成長を続けている」。SEMIのアジット・マノッチャ プレジデント兼CEOは開幕式で、2025年に世界の半導体産出額が当初予測を大幅に前倒しして1兆ドルを突破したことを明らかにした。2030年には2兆ドル、35年には3兆ドル規模に達するとの見通しも示した。
台湾行政院の卓栄泰院長も祝辞の中で、半導体は国境を越えたイノベーションと連携の産業とし、世界的な技術革新に台湾が積極的に貢献する考えを表明した。台湾政府として先端プロセス、IC設計、次世代パッケージングなどのR&Dを推進するとともに、用地、エネルギー、人材、資金面のインフラを整備。国際パートナーとの分業・連携を強化し、強靱(きょうじん)で持続可能な半導体エコシステムを構築する方針を強調した。
2日に開催された「エコシステム・エグゼクティブ・サミット」では、世界のトップリーダー10人が登壇し、次世代AIインフラの方向性を提示した。
GoogleのAmin Vahdat氏は、エージェンティックAI時代には、電力供給からカスタムシリコン、高速インターコネクトまで、計算アーキテクチャー全体をエンドツーエンドで再構築することが不可欠と強調した。Microsoft AzureのRani Borkar氏は、力任せのスケール拡大から「価値の最適化」へ転換し、知能の単位コストを引き下げるアプローチを提唱。NVIDIAのMichael Kagan氏は、AIファクトリーを電力と資本を知能へ変換する極めて重要な社会インフラと位置付けた。
MicronのScott DeBoer氏は、メモリー性能がAIの運用規模を直接左右する要因になっていると指摘し、「AIスケーリングの速度は、完全にメモリー進化の速度に依存している」と述べた。
BroadcomのAsad Khamisy氏は、スケールアップ、スケールアウト、スケールアクロスに対応するネットワーク・ファブリックの多次元的な再設計を発表。トークン生成レイテンシがGPU効率を評価する最大の試験指標になると強調した。MetaのCQ Tang氏は、ハードウェア障害が発生した場合でも数万基規模のGPUクラスターの信頼性を維持するには、ソフトウェアとハードウェアの協調設計(Co-design)が極めて重要と訴えた。
KLAのAhmad Khan氏は、「学習の速度」が単なる設備投資額(CapEx)に代わり、競争優位を生む主要な推進力になっていると主張した。QnityのJon Kemp氏は、イノベーションの領域がトランジスタの微細化から3Dアーキテクチャーや先端パッケージングへ広がり、この市場が2030年までに800億ドル規模に達すると予測した。
MerckのBenjamin Hein氏は統合的な材料ワークフローの重要性を強調。InfineonのAlexander Gorski氏は、ドイツ、マレーシア、タイに広がる持続可能なファブ・ネットワークと電力効率の最適化について詳しく解説した。
フォーラムのハイライトとなったファイヤーサイド・チャット(炉辺対談)には、台湾の半導体・電子産業を代表する5大分野のトップ、ASE、台湾半導体産業協会、MediaTek、Foxconn/TEEMA、Unimicronが集結した。AIによる需要の急増に対応するには、サプライチェーン全体での生産能力拡張と国際協調が不可欠との認識で一致した。
登壇者らは、今後の産業競争が個別技術の競争から「エコシステム同士の協調」へ移行すると指摘。台湾は、これまでの「Made in Taiwan(台湾製造)」から、グローバル市場と技術を融合する「Make with Taiwan(台湾と共に創る)」へ進化し、長期的な信頼関係と国際投資を通じ、持続可能なAI産業の基盤を支えていく意向を示した。










