2026.11.01 NTTドコモビジネス、「AI×通信」で顧客接点を高度化 機能拡充で30年度に600億円事業へ

AIで顧客接点を高度化するサービスの新機能について説明するNTTドコモビジネス執行役員の高橋聡子氏=東京都千代田区

 NTTドコモビジネスは、人工知能(AI)と通信を融合したコミュニケーションサービス「docomo business ANCAR」の機能を拡充する。顧客との接点業務を自律的に遂行するAIエージェント機能と、顧客接点のデータを用いて新たな商機の創出を支援するAIマーケティング機能を追加する。2030年度に関連事業で600億円規模の収益を目指す。

 ANCARに追加する新機能の一つが、AIエージェントが顧客応対や顧客接点の運用を自律的に実行する「docomo business ANCAR Agent」で、26年度内に提供を始める。

 具体的には、企業が顧客窓口として利用する電話番号をAIエージェントへの入り口として活用し、既存の音声環境を大きく変更することなく導入できるようにする。顧客は普段どおり電話で話すだけで、AIエージェントが会話内容から要件を理解し、問い合わせ対応から各種手続きまで担う。30年度までに同機能を導入した企業の顧客窓口で、入電の8割をAIエージェントが最初に応対し、必要に応じて人へ引き継ぐ運用の実現を目指す。

 さらに、顧客接点のデータを活用したAIマーケティング機能として国内初となる「docomo business ANCARMarketing」の提供を12月に開始する。

 同機能は、同社サービスを通じて蓄積する音声・応対・コールデータと、企業が保有する顧客属性や購買履歴、Web上の行動履歴などを組み合わせて分析し、これまで見えなかった需要を捉え、新たな商機の創出を支援する。顧客一人一人の関心や課題を把握し、有望顧客の抽出や優先的にアプローチすべき顧客の判断を後押しする。

 同社は、自社を最初の利用者とする「カスタマーゼロ」の取り組みとして、自社の主要コンタクトセンター9拠点にANCARを導入し、生産性向上などの目標を設定して効果を検証していく。

 AIエージェントの活用がコンタクトセンターや営業所などの企業の顧客接点で本格化する一方、導入後の情報更新や業務変化に応じた継続的な改善、それらを担う人材や運用体制の確保が課題となっている。そこで同社は、10万社超の顧客に提供するフリーダイヤルなどの音声サービスと自社のキャリア網を生かし、今回の新機能を追加する。

「A2A」時代のコミュニケーションを視野に

 東京都内で開かれた説明会で、同社執行役員でプラットフォームサービス本部コミュニケーション&アプリケーションサービス部⾧を務める高橋聡子氏は、進化を続ける顧客接点の将来像について言及し、「AI同士が連携しながら問い合わせ対応や提案、契約、各種手続きを進める『A2A(エージェント・ツー・エージェント)』の時代が到来する」との見方を示した。その上で、通信キャリアとしての強みを生かし、企業と顧客が安心・安全につながるコミュニケーション環境の実現を支えていく考えを示した。