2026.11.09 【冷蔵庫特集】冷凍食品の消費拡大に合わせ冷凍保存性能も進化 冷蔵庫の大型化が持続
年末商戦に向け、省エネ、収納性などの使い勝手、サイズなど、顧客ニーズに合わせた冷蔵庫の提案がポイントとなる
冷蔵庫は、忙しい共働き世帯や少人数世帯の増加、ライフスタイルの変化に合わせた商品の進化が続く。カーボンニュートラル実現に向け、家庭での電力消費削減も求められ、24時間稼働する冷蔵庫の省エネ性向上も大きな課題だ。食品ロスの削減・時短調理ニーズの拡大に合わせ、冷凍食品の消費が増える中、収納性と冷凍保存性能の向上を図るなど、ユーザーニーズに応える商品開発が活発だ。
市場では、物価高騰を背景に消費の落ち込みが懸念される一方、電気代高騰を背景とした節約・省エネニーズは依然として高く、省エネ・高効率な家電製品への関心は高い。
特に冷蔵庫は24時間365日通電し、家庭の家電製品の中ではエアコンに次いで2番目に消費電力が多い製品だけに、電気代抑制へのニーズは強い。
各社の最新冷蔵庫では、省エネ性や収納性など使い勝手の向上に力を入れ、ユーザーニーズを掘り起こせる特長を持った機種がそろっている。
秋・年末商戦では、15年前のエコポイント特需で購入した冷蔵庫が買い替え時期を迎えており、所有するユーザーなどに対する需要喚起に向けた取り組みが重要となる。
冷蔵庫の市場は、2024年度を底に回復基調にあり、25年度は前年度を上回って推移し、庫内容量が401L以上の大型冷蔵庫も大きく伸びた。
ただ、今期に入り冷蔵庫商戦はやや落ち着いた推移を見せている。日本電機工業会(JEMA)の上期(4~9月)の出荷統計によると、前年同期比98.1%の178万7000台にとどまっている。このうち401L以上の大型冷蔵庫も同98.2%の70万3000台で推移している。
ユーザーニーズに寄り添う商品開発が活発
冷蔵庫を取り巻く市場環境は近年大きく変化している。単身世帯・夫婦2人世帯などの少人数世帯や共働き家庭が増加し、世帯の特性に合わせた商品開発が求められている。
少人数世帯では、容量はそれほど大きくなくても、まとめ買いや冷凍食品の増加に合わせ収納性の良さが求められる。冷凍・冷蔵性能の向上による鮮度保持性能の向上にも関心が高い。
忙しい共働き世帯では、大容量でまとめ買いニーズに応えながら、近年の住宅狭小化に合わせ設置性(コンパクト性)も強く求められる。
冷凍食品の消費増加に合わせ、冷凍容量の増加の一方、食品ロスを抑えるためにも取り出しやすさが重要視される。
電気代高騰や環境配慮の視点から、省エネ性能の向上への関心も根強い。こうした幅広いニーズにきめ細かに応える商品進化が活発だ。
最新の冷蔵庫では、冷蔵・冷凍技術の進化により鮮度保持性能が高まっているほか、真空断熱材やコンプレッサーの高効率化といったハード面での省エネ性向上に力が入る。
センサーと連動した最適な運転制御や庫内カメラの採用など、省エネ性能や食品ロス削減につながる機能開発にも注力する。インテリアに映える高いデザイン性にも配慮する。
さらに、カーボンニュートラル社会の実現に向け、再生可能エネルギーの普及拡大が加速する中、バランスの良い発電による電力インフラの安定性を確保するため、電力需給を調整するデマンドレスポンス(DR)の重要性が高まっている。
冷蔵庫でも電力会社からのDR要請に自動的に応え、最適に電力消費を制御する機能を搭載する機種も登場している。時代やライフスタイルの変化に合わせ、冷蔵庫の進化は加速している。











