2020.07.30 【電子部品技術総合特集】非接触入力技術の提案強化新型コロナ対応で需要が拡大
非接触操作が可能な近接・ホバー対応静電容量方式タッチパネル
電子部品メーカーでは、新型コロナウイルス感染拡大への対応として、「非接触」をキーワードとした技術提案に注力する企業が増加している。医療・介護現場や公共施設などでのタッチレスニーズ増加を踏まえ、衛生面に配慮した「タッチレス操作デバイス」の提案を行うことで、安全・安心で快適な操作ソリューションを提供する。
昨今、様々な分野で入力デバイスのスイッチからタッチパネルへの移行が進んでいる。一方で、公共の場所に設置されるタッチ入力機器に対し、「誰が触ったか分からない」との理由から、抵抗感を抱くケースも多く顕在化している。
今回のコロナ禍で、「非接触」へのニーズはより高まると予想されている。部品メーカーは、こうしたニーズに対応して消費者の抵抗感を低減し、安全・安心で快適な操作を実現する非接触入力デバイスの開発に力を注いでいる。
アルプスアルパインは、医療・介護現場や公共施設などでのタッチレスニーズに応える「タッチレス操作パネル」の新規提案を行う。
「触れない」「触りたくない」シーンでの安全・安全な快適操作ソリューションとして、21年頃の製品化を目指し、市場調査を強化する。同操作パネルは、独自の高感度静電センサーを用い、パネルから10センチメートル離れた位置にある手の存在を検知。5センチメートルまで近づくと手の位置も検知、3センチメートルでは指の位置まで把握できる。この一連の動作での手の接近検知も可能。検出データを独自のアルゴリズムで処理することで、手・指の位置やジェスチャに応じた多彩な操作を実現できる。
SMKは、機器のタッチレス操作に対応できる「タッチレス入力製品」の品ぞろえを充実させている。既に近接・ホバー対応の静電容量方式タッチパネルや、近接センサー機能付き抵抗膜方式タッチパネルを量産化済み。ハンズフリー操作可能な音声認識リモコンの開発も進めている。