2020.09.18 【ASEAN特集】カナデンベトナムに現地法人を設立、タイ販社と連携

松田 副社長

 カナデンは、FAシステム、ビル設備、インフラ、情通・デバイスの4分野で事業を展開するエレクトロニクス技術商社。海外拠点を増強し、香港、シンガポール、中国、タイに続き、ベトナムに全額出資の現地法人カナデンベトナム(ハノイ市)を設立し、今年1月から営業活動を始めている。

 FA機器をはじめシステム販売によるソリューションビジネスを強化し、現地に根差した事業拡大を目指す。

 カナデンベトナム・松田寿大副社長は「ベトナムは発展途上にあり、当社のビジネスにおいても様々なチャンスがある。新型コロナの影響で自動車関連産業は引き続き厳しいが、食品、医療関連産業などは堅調。コロナによるテレワークの普及で、例えばプリンタなどのOA機器メーカーや、部品メーカーに特需が見られる」と話す。

 カナデンはタイの体制も強化し、販売会社のカナデンタイ、自動化システムの合弁企業FACOM-KD(タイ)の2社に加えて、調達や新規商材を発掘する現地法人カナデントレーディング(タイ)を設立、7月から事業を開始した。

 松田副社長は「タイ販社と連携し、様々な案件に取り組んでいる。タイの企業がAGV(無人搬送車)を生産し、ベトナム・ホーチミンの顧客に販売するケースなど連携が増えている」と話す。

 FA機器、放電加工機などの加工機、工場のコンプレッサ設備、生産ライン向けエア設備などシステム製品を強化する。

 松田副社長は「日系顧客のほかに、ベトナム企業や欧州などの海外企業の案件を拡大するためにエンジニアリングビジネスが不可欠で、当社グループのFACOM-KD(タイ)のほか、日系や現地のエンジニアリング企業と協業を進めている」と言う。

 韓国企業の大型投資など、海外企業の進出が活発になっている中で、ベトナムでも労働力を確保するのが難しくなり、生産自動化による省人化のニーズが高まる。

 松田副社長は「労働力不足に加えて、生産現場作業者の健康への関心から塗装ロボットなどの需要も増えている。生産ラインの見える化に取り組む企業も現れており、こうした自動化ニーズにも応えたい」と述べている。