2020.09.18 【ASEAN特集】岡本無線電機グループの総合力発揮で企業支援

只 GM

 岡本無線電機は昨年6月、おおとりマレーシアをクアラルンプールに開設した。日系の取引先、仕入れ先が多く存在する中、日系企業のフォローを強めつつ、マレーシアのエレクトロニクス業界の発展を担うローカル企業にも注力する。

 同社の只幸泰GM(ゼネラルマネージャー)は「マレーシアは、地元の自動車メーカーも存在する。グループの総合力を発揮して企業にお役に立てれば」と話す。

 おおとりマレーシアは、クアラルンプール中心市街にあるKLセントラル駅から近いビルに開設。従業員は4人体制。マレーシアの日系企業やローカル企業などをターゲットに販売を強化する。

 「マレーシアのマーケットはシンガポールからカバーしていた。日系企業は以前から進出していたが、現地密着で取り組む意味でも現地でフォローすることは重要」と只GM。

 開設から1年3カ月が経過し、当初は今期4月頃からのビジネス開始に向けて準備を進めてきたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で動きが取れなかった。

 国内は活動制限令が今年の12月末まで続く予定だが「顧客とのビジネスが進みつつある。仕入れ先からの協力も得られており、今年の末頃から継続的に売上げが見込める」(只GM)という。

 最近では、米中貿易摩擦に伴うリスク回避や中国での人件費高騰を背景に、マレーシアを含むASEAN諸国に中国から工場を移管する動きが目立っているという。「拡大の余地はある」(只GM)。

 また、マレーシアは電子電機業界のほか、ASEANでも珍しい自動車メーカーも存在。工場だけでなくR&Dセンターもあり、ASEANの中でも技術が進んでいる。「当社は自動車、医療、エネルギーの3分野を重点分野と位置付け、IoTなどの成長市場に注力している。また、タイやベトナム、シンガポールなどにも拠点がある。グループの総合力を発揮して、地元のメーカーのお役に立ちたい」(只GM)。

 今後は社内の体制を強くする。今年中にISOを取得して顧客への対応力を強化。また人材育成にも力を入れて注力分野の知識を高め、顧客企業の開発担当に提案ができる体制を整える。人員も増やす方針だ。