2020.09.25 【九州・山口産業特集】長州産業バイオマスエネルギーシステム普及に力

岡本 社長

 長州産業(山口県山陽小野田市)は、太陽光発電システムに加え、バイオマスエネルギーシステム(BES)の普及に力を入れている。経済効果と環境保護を両立する手段として再生可能エネルギーの活用が求められる中、補助金も活用した企業の積極的導入を促進している。

 同社のBESは化学物質を使わず、微生物を活性化させて有機廃棄物を分解する。廃水を出さないため、土壌や河川を汚染しないことが強み。分解した廃棄物を燃料にして発電もできる。肥料の供給過多や、家畜の糞尿処理に関する環境規制の強化もあることから、廃棄物をエネルギーに変換して地産地消する処理方法に注目が集まっている。

 岡本晋社長は「従来のバイオマス処理施設と比較すると、当社のシステムは小型で設置しやすい点も強みだ」と話す。糞尿だけでなく、有機化合物であれば何でも処理できるため、食品工場など多様な分野で導入を進めている。

 生ごみや木材などの処理では、自治体とも連携を進めている。岡本社長は「ビジネスで一番大切なのは、どれだけ社会の役に立てるかということ。自治体との連携を通じて、より良い社会づくりに貢献したい」と語った。

 太陽光発電については、自家消費型のシステムを提案している。リースでの設置や初期投資0円の屋根貸モデルなど、電気代削減のの手段としても太陽光発電の利用価値が高まっている。

 7月から電力事業者の「みんな電力」と連携して、再生可能エネルギーだけで生活可能な「CICフレンズ」も進めている。太陽光発電システムだけでは賄えない分を、みんな電力が供給する再生エネルギーで補い、100%の再生エネルギー利用を実現する。

 岡本社長は「現状では再生可能エネルギーの電気はまだ高価だが、今後、環境価値が根付いて再エネ発電設備が増えれば、経済効果も期待できる」と強調した。