電波新聞が、本年で創立より70周年を迎えられたとのこと、誠におめでとうございます。創立以来、業界唯一の日刊紙として、精力的に活動してこられたことに敬意を表しますとともに、これまでの電波新聞の着実な発展を心よりお慶び申し上げます。

　我が国の放送は、1953年（昭和28年）に地上テレビジョン本放送が始まり、1955年（昭和30年）に最初のケーブルテレビが群馬県伊香保で誕生しました。それから60年以上が経過する中で、テレビジョン放送は、多チャンネル化やデジタル化をはじめとする様々な進化を遂げてきました。

　この半世紀を超える歴史において、地上テレビジョン放送は、全国津々浦々に張り巡らされたネットワークにより、全国の情報、そして災害情報や地域情報など住民生活に不可欠な情報を日夜送り続け、また、ケーブルテレビにおいても、地上テレビジョン放送の再放送、さらに地元密着のコミュニティチャンネルやインターネットサービスなど多彩なサービスの提供を行ってきました。電波新聞はこれらの放送の進化・発展を、実に長きにわたり様々な角度で丁寧に報道してこられました。

　昨今、放送は動画配信サービスの普及や視聴形態の多様化、そして、5Gの導入やAIの普及による技術の変化など、これまでと比類のないほど、実に大きな環境の変化の中にあります。また、新型コロナウイルス感染症の影響下、「新たな日常」の定着に向けた取り組みがあらゆる分野で求められています。視聴者にとって重要な情報取得手段である放送サービスにおいても、多様かつ新たなニーズに迅速に対応していくことが期待されており、これらの動向を様々な角度で伝える電波新聞の役割についても、重要性はより一層増すことと思います。

　今後も常に新しい時代とともに着実な発展を果たしていかれることを祈念しております。