2020.10.15 ラックスマン、音楽を通して新たな感動を末吉達哉社長に展望を聞く 創業95周年、ブランドの重み実感
末吉新社長。歴代製品の展示ルームで撮影
ラックスマンの前身は、1925年に大阪で創業した絵画や額縁を輸入する錦水堂。2代目のLUX創業者はラジオに関する技術情報を元に実験・研究を重ね、28年にラジオを発売している。創業95年の節目の今年3月に就任した末吉達哉新社長に話を聞いた。
―コロナ禍という大変な時期に社長に就任されました。
末吉社長 就任は3月16日で、ごあいさつにも行けない厳しい状況下のスタートになった。オーディオを取り巻く状況は、国内は10万円の特別定額給付金支給もあり、国内外ともに巣ごもり需要が活発で、幸いにも順調に推移しており、本当にありがたいと思っている。創業95周年を迎えたラックスマンというブランドの重み、ありがたみを感じている。
―好調製品は。
末吉社長 ヘッドホンアンプのリファレンスモデル「P-750u」をベースに、最新の増幅回路と特別な外装を施した95周年記念100台限定生産モデルのヘッドホン専用アンプ「P-750u LIMITED」を4月に発売したところ、即完売した。年齢が比較的若い団塊ジュニア層のお客さまにも、ラックスマンのブランドが浸透してきているようだ。
最長7年の〝プレミアム延長保証期間〟を設けていることも、初めて購入される方に安心感を与えているようだ。品質の良さに衝撃を受けた、と感想を寄せるお客さまもいる。
18年10月に発売した「Neo Classico」の第2弾となる真空管プリメインアンプ「SQ-N150」、昨年3月発売の真空管コントロールアンプ「CL-1000」など真空管製品も好評。
直近では、日本国内300台限定生産95周年記念モデルの純A級プリメインアンプ「L-595A LIMITED」を発表した。往年のベストセラーモデル「L-570」をデザインモチーフとした製品で好評。
今年春に5年ぶりに発売したフラグシップSACD/CDプレヤー「D-10X」と、高信頼CD専用メカ搭載でフルバランス構成出力アンプ搭載のベーシックモデルのCDプレヤー「D-03X」は共に好評。カテゴリに幅が出てきている。
FOCALのスピーカでは、新ベーシックラインの「CHORA」3モデルも好調。ヘッドホンは「STELLIA」がハイエンド製品としてのポジションを確保している。
お客さまとは動画配信に注力して情報を伝えるようにしている。また、正規取扱店さまなどに協力いただき、密にならないリアルな環境で製品に接していただく機会を設ける計画だ。
95周年の後には100周年が控えている。音楽を通して新たな感動を発見できるラックスマンならではの製品を、これからも提供し続けていきたい。