2020.10.21 「見せる」「見せない」を電気制御NESIがインテリジェントカードホルダー
インテリジェントカードホルダー「四方八方」
ソフトウエア開発などを手がけるNESI(茨城県ひたちなか市)が、新事業の立ち上げに力を注いでいる。3Dプリンタや音声AI(人工知能)など様々な取り組みを進める中、「見せる」「見せない」を電気制御できる❝スマート❞なカードホルダーを来年3月までに発売する予定だ。
発売に向けて最終調整しているのは、透明と白濁を電気制御できる透明フィルム「機能性フィルムシート」を使ったインテリジェントカードホルダー「四方八方」。3年かけて開発したもので、ホルダーに入れた社員証などの個人情報を保護できる。スマートフォンとブルートゥースで接続しているため、置き忘れ時にはブザーとランプで通知するほか、スマホのGPS機能を使って紛失時には位置情報も特定できる。
同社は「今年度内に関心を持っている企業に試供版を使ってもらい、来年3月までには発売したい」と意気込む。
四方八方は、新製品や新事業の開発に関し、同社が実施する社員参加型の取り組みの中から生まれたアイデアだ。研究機関などは個人情報の取り扱いには特に厳重で、社外に出た際などに社員証を見えなくする必要性がある。それを手間なく実現することを目指して開発を進めてきた。
今回のCEATECではニューノーマルエリアに出展。昨年の試作機から厚みを半減するなど大幅に小型化した四方八方を紹介している。
四方八方の強みは、入退出管理といった外部システムとも連携できることだ。現状では実装していないが、今後は一括管理できる機能を備えることも検討している。
同時に、課題であるコスト低減にも取り組んでいる。試作機である現状は1台当たりの単価は高いが、「ウエアラブルデバイスとしては、1万円を切るコストが求められる」(同社)とする。低価格化も進めて、導入につなげたい考えだ。