2020.10.26 【次世代自動車用部品特集】センサーLiDARなど開発進む

MEMS式車載LiDAR

 ADAS/自動運転技術の高度化やEV/PHVの電費性能向上などに寄与する車載用センサーの技術開発が進展している。

 ADAS/自動運転向けのセンサーフュージョンでは、高画素センシングカメラやミリ波レーダー、LiDAR(ライダー)、超音波センサーなどの開発が活発だ。走行中の車の周辺情報を高精度に認識するために、近距離検知、中距離検知、長距離検知、夜間や雨天時の検知など、目的に合わせて様々な種類のセンサーが開発されている。

 自動走行レベル3以上の自動運転車で必須とされるLiDARは、既存の機械式LiDARと比較し、小型・堅ろうでコスト面でも優位なソリッドステート式LiDARの開発に乗りだす企業が増加している。

 LiDARはレーザー光を物体に反射させ、戻ってくるまでの時間を計測して距離を測るデバイス。機械式と比べてソリッドステート式は長距離測定・解像度に課題があったが、これらの課題を解決するための技術開発が進展している。

 ミリ波レーダーは、従来の76ギガヘルツ帯レーダーや24ギガヘルツ帯準ミリ波レーダーに加えて、79ギガヘルツ帯ミリ波レーダーの研究開発も活発となっている。

 79ギガヘルツ帯レーダーは周波数帯域幅が4ギガヘルツと広く、高分解能が可能で、従来は難しかった歩行者や自転車などの検知に威力を発揮できる。

 車載カメラは、自動運転技術の高度化に向けて、従来のバックモニター用カメラから、車載センシングカメラへと進化し、高画素化と伝送速度向上のためのデジタル伝送化が進んでいる。

 最近の車載カメラは、従来の30万画素から1メガピクセルへの移行が進展。今後はさらに2/3メガピクセルへの移行が進む見通し。

 このほか、レベル3以上の自動走行車では、走行中のドライバーの体調などを車自体が把握して、自動運転モードと手動モードに切り替えを随時行う必要があるため、これらに対応するためのドライバー生体モニタリングシステム向けのセンシングデバイスなどの開発にも力が注がれている。