2020.11.26 【ロボット・産業機械用部品特集】中長期の成長へ最重点市場
産業用ロボットや各種産業機器は、世界的な自動化ニーズの高まりやデジタルシフトが進む中で、一段と重要性が増している。電子部品メーカー各社は、ロボット/産業機器分野を中長期の成長のための最重点市場の一つに位置付け、積極的な新製品開発と営業・マーケティング活動の強化を推進する。
ロボット産業は、21世紀を代表する基幹産業に位置付けられ、高機能化の進展とともに、ワールドワイドで高い成長が期待されている。ロボット市場は産業用ロボット/非産業用ロボットで構成され、共に中長期で飛躍的に需要が拡大していくことが見込まれる。FA機器や工作機械、半導体製造装置などの需要も、自動化・省人化ニーズやデジタルシフトの進展によって、今後の成長が期待されている。
電子部品メーカー各社は、これまで培ってきた技術を応用し、高性能化や小型・高密度化が進むロボットや製造装置向けの部品・モジュールの技術開発を加速させている。
産業用ロボットやFA機器の直近の需要動向は、18年前半までは好調が続いたが、米中貿易摩擦を起点とした中国での設備投資需要の減退や世界的な自動車販売低迷により、18年秋以降は停滞が続いた。さらに20年は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う設備投資意欲の減退などから、厳しさが継続している。とはいえ、中長期の成長期待に変化はなく、調整一段落後は再度、成長軌道への回帰が確実視されている。
一方、半導体製造装置需要は、一時は米中摩擦の影響を受けたものの、現在は「ニューノーマル社会」に向けたIT投資拡大に伴うデータセンター需要増加などにより、好調な生産が続いている。
産業用ロボットは、スマートファクトリー化へのニーズが一段と増す中で、多関節ロボットやパラレルリンクロボット、協働ロボットといった高性能なロボットの需要が、今後はさらに広がりを見せることが予想されている。ロボットユーザーの業界別では、先行していた自動車業界に加え、様々な業界での導入が広がりつつある。
ロボットに搭載される部品には、モーターやセンサー、アクチュエータ、光学部品、無線通信モジュール、タッチ入力デバイス、音声認識デバイス、電源、受動部品、接続部品などがある。電子部品メーカー各社は、ロボットの高性能化や高精度化、小型・軽量化、安全性向上などに寄与する技術開発を加速させ、新たなビジネスの獲得を目指す。