2020.11.26 【ロボット・産業機械用部品特集】製品別動向
市場が拡大するロボット用電源向け部品
回路部品
産業用ロボットは、生産現場での無人化、医療分野における介護、工事現場におけるアシストなど、幅広い分野での普及が進んでいる。関連部品の市場も拡大してきた。
産業用ロボットは、AI(人工知能)の導入によって、電子化が一段と進展している。同時にIoTの取り込みによって通信機能が付加され、この分野でも受動部品の使用が増えてきている。
電力を供給する電源回路は、商用電力レス、低消費電力、耐環境性などが求められ、シリコーンベースから、SiC、GaNといったパワーデバイスの技術トレンドに沿った高信頼性の電源用部品の開発が進展する。
さらに誤動作を防止するために、ノイズ対策部品やサージ対策部品、過電流・過電圧防止、熱対策部品といった保護用部品も搭載される。
ロボットでは様々なセンサーを使用するために、その制御回路が必要で、コンデンサ、抵抗器、インダクタなど、機械的強度があり、環境変化に対応できる受動部品も多く使われることになる。ロボットに制御回路を組み込むためには回路基板の小型化が要求されることから受動部品も小型化、モジュール化が重要になる。
接続部品
接続部品は、ロボットなどの産業機器向けに、マシンの小型・高性能化に寄与する高信頼性コネクタや、大電流対応電源コネクタ、現場作業性改善に寄与する接続部品、堅ろう・長寿命で安全性向上にも寄与する産業用スイッチなどの開発が活発化している。
コネクタでは、産業用丸型防水コネクタなどの製品ラインアップ拡充に力が注がれ、使い勝手の良いワンタッチ嵌合タイプなどの提案が進んでいる。外部インターフェイス用では、次世代の産業機器向けイーサネット用コネクタの提案なども進められている。
製造現場でのロボットによる自動組み立てニーズに対応し、ロボットでの自動実装に対応できるコネクタ開発にも力が注がれる。
産業用スイッチは、装置の高機能化や高性能化、長寿命化、安全性向上などに寄与する製品開発に力が注がれる。
センサー
ロボットでは多様なセンサーが搭載される。主なセンサーには、荷重検知用の圧力センサーや関節角度検出用のポジションセンサー、姿勢制御用のジャイロセンサー、加速度センサー、光学式センサーなどがある。介護・福祉用ロボットでは離床センサーなども使用される。これらのセンサーは機器の高性能化に伴い、一層の高精度化や小型軽量化、耐振動性などが求められている。
センサーメーカーは、MEMS技術とパッケージング技術などを駆使することで、汎用性に優れた高精度なロボット用センサー開発を強化。超小型かつ高分解能を実現するセンサー開発により、次世代のロボットニーズに応えている。