2020.11.30 20-22年度、DXで高収益ビジネスコニカミノルタが中期戦略

山名 社長山名 社長

 コニカミノルタは、新たに20-22年度を対象とした中期経営戦略「DX2022」を策定した。新ビジョンステートメント「Imaging to the People」の下「デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)により高収益なビジネスへと飛躍し、真の社会課題解決企業への転換」(山名昌衛社長)を目指す。26日に行ったオンライン経営戦略説明会で発表した。

 新たな経営ビジョンは、働きがい向上と企業活性化、健康で高い生活の質の実現、社会の安心/安全、有限な資源の有効活用、および気候変動への対応など2030年、その先の将来の社会課題と向き合い、DXによる無形資産と事業の競争力の強化とともに、持続的に顧客および社会へ価値を届けることで企業価値を高めていく。

 山名社長は「人間中心の生きがい追求と持続的な社会の実現を高次に両立することを目指す」と強調する。

 今回、創業以来、時代とともに変化するイメージングにこだわり、人々の様々な〝みたい〟に応えてきたDNAをベースに、新たなビジョンステートメント「Imaging to the People」を策定した。

 山名社長は「顧客自身も気づかない課題を可視化し、顧客の〝みたい〟欲求に応え、最適な解決策を見いだす」と語る。このため、ワークフロー・バリューチェーンを俯瞰(ふかん)し「as a Service(アズ・ア・サービス)」モデルで顧客価値を提供していく。

 中期経営戦略「DX2022」では、戦略的新規事業による成長実現と利益貢献、ポートフォリオ転換による成長戦略を加速させる。21年度で「オフィス事業の営業利益を18年度レベル(624億円)に回復させる一方、総固定費は20年度の水準を維持する」(山名社長)方針。22年度には「新規事業の収益改善を加速させ、オフィス事業に続く柱となる事業構築を加速」(山名社長)させる。

 オフィス事業については、ペーパ-レス化の進展により事業環境が厳しさを増す中でも利益を生み出し続ける収益構造へと変革させるとともに、その顧客基盤を活用し、事業ごとのデジタルソリューションの提供により高収益ビジネス(デジタルワークプレイス事業)へと転換させる。加えて、プロフェッショナルプリント事業、ヘルスケア事業、インダストリー事業を合わせ、独自のイメージング技術により進化させることで「計測・検査・診断の領域での事業基盤を確立させる」(山名社長)。

 新たな企業基盤の確立により、全社としての営業利益額を拡大しながら、オフィス事業への依存度を中長期的に25%以下へと低減させる。

 DXによるビジネスモデル進化を加速させる。エッジクラウド型の「画像IoTプラットフォーム」をベースに、エコシステムを構築、顧客ワークフローを継続的に支援するビジネスへと進化させる。プレシジョン・メディシン、画像IoTソリューション、ワークプレイスハブ、ITサービス、産業印刷を「戦略的新規事業」と位置付け、「継続的な投資・リソース投入により、急速な売上げ成長を実現」(山名社長)させる。中長期的には新規事業の売上比率を3割程度まで引き上げる。

 このほか、顧客接点強化、技術強化、人材強化などを推進する。