2020.12.03 【電波時評】次世代通信戦略での〝合成の誤謬〟

 経済学で、数ある興味深い用語の中に〝合成の誤謬(ごびゅう)〟というものがある。これは、少数の個人や企業の行動であれば経済的に合理的であっても、大多数が一斉に行うと問題が生じることを意味する。

 例えば、経費節減や合理化は一企業の業績改善に効果があるが、大半の企業がこれを一斉に行ってしまうと、一国の経済が後退局面を迎えることにもなりかねない。

 先日、大手携帯キャリアが親会社のTOBを受けて、完全子会社に戻る...  (つづく)