2021.01.06 【中・四国版】年頭所感四国総合通信局 野水学局長

野水 局長

地域のデジタル化など推進

 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

 四国総合通信局は、ICTによる四国地域の活性化を目指し、次の四つの施策に重点的に取り組んでまいります。

 一つ目は、「ポストコロナ」の時代を見据えた地域のデジタル化の推進です。そのためには、まず光ファイバや5Gなどの情報通信基盤の整備が不可欠です。特に5Gについては、その利活用方策の検討が様々な分野で進められています。例えば四国で盛んな水産業の分野では、愛媛大学などが養殖いけすの魚のハイビジョン映像を5Gで陸上に伝送し、AI処理により魚の状況を把握する実証を昨年11月から開始しています。当局ではこうした実証をさらに推進するほか、5Gの利活用に関するセミナーなどの開催により地域のニーズの掘り起こしを図るなど、四国の課題に即した5Gの利活用モデルの確立に取り組みます。

 二つ目は、災害に強い地域づくりです。台風災害、南海トラフ地震などに備え、情報伝達手段確保の取り組みを進めています。具体的には、発災時の管内各県への職員派遣の迅速化に向けて体制を整備するとともに、通信事業者などと発災時の対応方針を確認するなど、関係者間の連携の強化を図っています。また、臨時災害放送局を円滑に開設するための準備を促進します。さらに、防災行政無線の整備、放送サービスの耐災害性強化、Lアラートの利用促進などにも引き続き取り組みます。

 三つ目は、ICTの安心・安全な利用環境の確保です。地域におけるサイバーセキュリティの啓発や人材育成につなげるため、専門家をお招きし、最新情報の共有や意見交換を行う「サイバーセキュリティシンポジウム道後」を毎年開催しています。昨年は「ニューノーマルとセキュリティ」をテーマに開催し、800人を超える参加がありました。今年も年央の開催を予定しています。

 また、高校生を対象としたインターネットの安心・安全な利用方法に関する動画製作ワークショップや、教育学部の学生を対象とした情報モラル教育講義などを通じて、青少年のインターネットリテラシの向上を図ります。

 四つ目は、研究開発および人材育成です。ICTをテーマとしたセミナーや、研究者による技術情報・利活用事例の意見交換会を開催し、地域におけるICT研究開発を推進するとともに、IoT機器等に関するセミナーやIoTシステム開発のスキルアップイベントなどを開催し、地域課題解決のためにIoTを活用できる人材を育成します。