2021.01.12 JAPEXが初のバイオマス事業へ山口大学発ベンチャーと協力
石油資源開発(JAPEX)は、山口大学発のベンチャー企業が企画したバイオマス発電所建設計画(山口県下関市)について、事業化検討に参画する。事業化となれば、JAPEXとして初めてのバイオマス事業になる。JAPEX以外にも参画を検討している企業があるという。
計画は「長府バイオマス発電プロジェクト」で、シンクタンクやコンサルタントを手がけるMOT総合研究所(山口県宇部市)が企画。20年11月、プロジェクトの事業会社として、長府バイオパワー(下関市)を設立した。
この長府バイオパワーへJAPEXが翌12月、調査費用名目で出資。検討段階から参画することで、バイオマス発電の知見を蓄積する狙いがある。「一から発電所を建設する経験は企業として何にも代えがたい。最初の案件として、次につながるようノウハウを蓄積したい。バイオマスを当社のポートフォリオに加えていきたい」(JAPEX)考えだ。
21年の最終意思決定に向け、経済性などについて検討を進める。
同プロジェクトでは、下関市長府扇町の瀬戸内海に臨む敷地約6万2800平方メートルに、ボイラーなどで沸かした蒸気によって発電する汽力方式の発電所を建設する。出力は約7万4950kW。
木質ペレットを主体に燃料にする予定で、パームヤシ殻や竹チップなどの混合も検討している。計画では22年に着工し、24年の営業運転開始を目指す。発電した電力は、再エネ固定価格買い取り制度(FIT)で売電する。
JAPEXでは再エネ事業として、北海道内で二つのメガソーラーの稼働に携わるほか、洋上風力発電も3カ所で事業化の検討に加わっているという。