2021.01.19 エネマネ高度化へ、出光など実証実用化に向け、EV管理システム導入

実証のイメージ図

 出光興産と日本ユニシスは、車両管理のシステム提供を手掛けるベンチャー、スマートドライブ(東京都千代田区)と共同で、太陽光発電設備と電気自動車(EV)蓄電池などに、車両管理システムを加えた実証実験を4月から始める。宮崎県国富町役場を実証の舞台とし、エネルギーコストや環境負荷の低減などに活用できるシステムを構築する。期間は23年3月までを予定。

 出光興産と日本ユニシスは既に、21年3-12月に同じ国富町にある出光興産の子会社・ソーラーフロンティアの国富工場で、太陽光発電設備とEVを組み合わせたエネルギーマネジメントシステムの構築に向け実証を始めることを計画、公表している。工場では、事務所での電力需要や、業務・通勤で使用するEVの稼働状況などの実績からデータを予測化し、EVや蓄電池の充放電制御を最適化できるシステム構築していく。

GPSでリアルタイム把握

 4月から新たに始める町役場では、同時並行的に実証を進めていきながら、エネルギーマネジメントシステムを「より高度化していく」(出光興産)作業に入る。出光興産では将来的に、公共施設などへのサービス提供を事業化していく考えで、その準備的な側面もある。

 国富町役場では敷地内に、太陽光発電設備、公用車のEV3台、複数の蓄電池、EV充放電器などのほかに、車両管理システムを導入する。スマートドライブが提供する車両管理システムは、EVの配車予約管理や、EVに取り付けた全地球測位システム(GPS)機能をもとに、リアルタイムで稼働状況を把握できるほか、集まったデータの分析なども行える。こうしたデータが自動的にシステムに取り込まれるようになるため、「より精度が高い、説得力のあるEVの稼働状態を入手できる」(同)という。

 そのため、さらに精緻なエネルギー利用の最適化が図れる。蓄電池とEVの最適な充放電計画を作成して、運用することで、町役場内の電力コスト低減や二酸化炭素(CO₂)排出削減などの効果が期待できるという。

 今回は、「事業化の手前の実証」(同)と位置付け、同社では、この実証を足がかかりに、実用化にメドをつけて、サービス提供の事業化に乗りだしたい考えだ。