2021.02.24 【複合機&プリンタソリューション特集】東芝テック「e-STUDIOシリーズ」で働き方改革を支援

「Loops」

 東芝テックは、新型コロナウイルス感染症拡大の中で、新しいオフィスの在り方、新しい働き方にフォーカスする。従来のプリンティング主体のビジネスから脱却し「オフィス、物流、製造、流通など働く場所、働く人にフォーカスした広い視点で事業展開していく」(竹内浩二PS商品・マーケティング担当グループ長)。

 このため、1月1日付でこれまでの「プリンティング・ソリューション事業本部」から「ワークプレイス・ソリューション事業本部」に組織の名称も変更した。「コロナ後も出社レスの流れは変わらない。MFP(複合機)に捉われず、〝ワークプレイス〟として捉え、リモート、オンサイト(会社)の二つの側面から新しいオフィス、新しい働き方に資するソリューションを提供」(竹内グループ長)することで、働き方改革や生産性の向上を支援する。

 複合機製品では、クラウドサービスとの拡張性と独自機能の強化により働き方改革をサポートする「e-STUDIOシリーズ」が好評。「3Q(10-12月)は、台数ベースで前年比100%となり、業界各社を若干上回った。カラーのプリントボリュームもコロナ前に戻ってきた」と竹内グループ長。

 同シリーズは、複合機とクラウドサービスとの連携やスキャン機能、OCR機能を強化している。各種クラウドサービスと連携し、複合機から直接スキャンデータのアップデートや、データのプリントアウトが可能。原稿送り装置を利用した名刺スキャン機能のほか非定型サイズにも対応を広げ、14種類の特殊用紙に対応している。

 「よりストレスのないリモート環境、出社レスの中でのオフィスの効率化を図っていく」(竹内グループ長)ソリューションに注力する。

 その一つが「データエントリーソリューション」。AI inside社とパートナー契約を結び、「e-STUDIOシリーズ」からAI inside社が開発するAI-OCRへ直接スキャンデータをアップロードするソリューションの提供を開始した。これにより、帳票の電子化から文字の読み取りまで一連の業務自動化を実現する。「こうした紙のデータ化とRPAを活用した自動化などを提案し、生産性の向上に寄与していく」(竹内グループ長)。特に「中小企業は、人手不足の問題も抱えている。クラウド化、デジタル化で働き方を支援していくことが求められる」と、野村護営業推進部担当部長は話している。

 同社は、環境面に配慮した「消す印刷」と「残す印刷」を1台に搭載して、紙のリユースを実現したハイブリッド複合機「Loops」シリーズを発売している。「コロナ禍でワークスタイルの変革やSDGsへの関心が高まっており、引き合いが増えている」(野村部長)。直近ではサカイ引越センターなどが導入し、効果を上げている事例がある。「紙の使用量の削減や社内文書の配布、保管など環境や業務効率の両面から訴求」(同)していく。