2021.02.24 【空質商品特集】 コロナ禍で一気に関心高まる
常に清潔・快適な空間を提供する
コロナ禍は、空気の質に対する関心を一気に高めた。こうした中、空気清浄機をはじめ換気扇、除菌脱臭専用機など、健康・快適な空気質を実現する様々な機器への関心が高まっている。
空気清浄機は毎年、花粉シーズンを迎えるこの時期が商戦のピークとなるが、今年は常に高い出荷ベースが続いており、旺盛な需要がある。
空気清浄機は、高性能フィルタでの集じん性能の高さはもとより、イオン発生による除菌・脱臭性能の向上など性能は年々進化し、本格的な性能を求めて、単価の高い高級機への関心が高まっている。
除菌脱臭専用機の参入メーカーも増えており、より健康的な空気質に対応した商品戦略が各社活発だ。各社それぞれに独自の除菌技術を投入して、空気浄化技術の向上に力を入れている。
パナソニックでは、次亜塩素酸 空間除菌脱臭機「ジアイーノ」の提案に力を入れているが、今期に入って増産対応を図り、積極的に空気質ニーズに応えている。現在でも前年比倍増ペースで推移、21年度も生産体制をさらに倍増で臨む。
各社は積極的な市場対応を図り、今後、国内はもとより、グローバル市場をにらんだ展開に力を入れるメーカーも多い。
パナソニックの主力製品
「ジアイーノ」安全で高い除菌効果
付着した菌・ウイルスも抑制
パナソニックは、空気質への関心が高まる中、加湿空気清浄機をはじめ、次亜塩素酸 空間除菌脱臭機「ジアイーノ」など幅広い商品陣容で清潔・快適ニーズに応える。
ジアイーノは、食塩水(専用の塩タブレットを入れた水道水)を電気分解することで、高い除菌効果を発揮しつつ、安全性にも配慮した濃度で「次亜塩素酸」を生成する。もともと次亜塩素酸はプールや哺乳瓶の除菌、水道水の浄化などに使われる安全で効果の高い除菌成分。
ジアイーノでは、次亜塩素酸水を含侵させた除菌フィルタに空気を通過させ、浮遊菌の除去や脱臭を行うとともに、次亜塩素酸を揮発させ、ドアノブなど部屋の各所に付着した菌・ウイルスにも高い効果を発揮する。
家庭用の主力機種は、F-MV4100/同MV2100。塩タブレットの自動投入機能を搭載し、従来は3日に1回程度の頻度で行っていた塩タブレットの投入の手間を省く。塩タブレットを本体内の「塩自動ユニット」にあらかじめ入れておくと、適したタイミングで自動投入される。
広いリビング空間などでも使えるように風路設計を見直し、次亜塩素酸が浸透した除菌フィルタを通る風路(次亜塩素酸風路)の風量が従来に比べ増えている。
このためF-MV4100は従来の最大15畳から18畳(30平方メートル)へ、MV2100は従来10畳が12畳(20平方メートル)へと適用畳数が拡大している。
F-MV4100は、約18畳の換気も考慮した居室空間での付着菌・付着ウイルス抑制効果も実証している。
室内中央・奥側において、付着菌・ウイルスともに、いずれも約12時間で除菌・抑制効果を得ている。
同社によると、家族が集うリビングでの使用が多いことから、家庭用の売れ筋モデルはF-MV4100で、販売構成比が6割以上となっているという。
勉強部屋や個室などに手軽に設置できるコンパクトな9畳タイプのF-MV1100もそろえ、幅広い商品ラインアップで市場ニーズに応えていく。
同社では、販促活動にも力を入れ、テレビCMに加えて、駅ビジョンでのデジタルサイネージ、Web広告など、認知を広げる活動を展開していく。