2021.03.26 【中国拠点特集】メイコー 名幸電子(武漢)有限公司

武漢工場の外観

和田 常務和田 常務

量より質の重視で高付加価値戦略

 メイコーは、中国にプリント配線板工場2工場(広州、武漢)を展開。車載やスマートフォン用を主力に生産品目の高付加価値化に努め、自動化・省人化により生産性を向上させている。

 広州工場「名幸電子(広州南沙)有限公司」は敷地面積約13万平方メートル。車載用基板の専門工場として、両面板や多層基板、ビルドアップ基板などを製造。武漢工場「名幸電子(武漢)有限公司」は敷地面積約13万9200平方メートル。中華系スマホやIoT家電、車載、LEDディスプレイ、通信モジュール向けに、両面板、多層基板、ビルドアップ基板などを製造する。両工場ともにIATF16949認証を取得済み。

 メイコーの和田純也取締役常務執行役員は「広州工場は当社グループの車載基板事業の中心地として、日系顧客の中国工場や欧州系ティア1向け、さらに米国向けや日本へのアウトインなどの供給を行う。武漢工場は中華系のスマホや車載向けの比率が高い。通信モジュールやIoT家電での高密度ビルドアップ基板要求に対し、高精細基板技術を生かした展開を図っている」と話す。中国スマホ市場は5G化で高周波要求が強いため、武漢工場ではいち早く、L(ライン)/S(スペース)が40マイクロメートル/40マイクロメートル以下の微細化技術適用のエニーレイヤー基板や、10層エニーレイヤー基板などを量産化した。

 20年前半は新型コロナの影響を受けたが、7月ごろから車載用の受注が回復し、秋以降は生産が正常化した。「特に車載基板が好調で、直近では広州はコロナ禍前を上回る水準。武漢もスマホや車載向けが回復し、非常に好調」(和田常務)。

 今後の展開について、和田常務は「広州では今後はEVインバータ基板などの生産が増える。両工場ともに車載基板は貫通板からビルドアップへの切り替えが必要。通信系はスマホの5G化などに付随する通信モジュール向けの需要増を見込む。中国展開の基本方針は量より質の重視。今後も高付加価値戦略を強化する」と話す。