2021.05.05 IPC規格の日本語版発行車載用プレスフィット規格など最新版

IPC規格の日本語版「車載用プレスフィット規格」

 IPCは、標準規格の「車載用プレスフィット規格」「コンフォーマルコーティング規格」などの最新日本語版を発行した。

 IPCは本部を米イリノイ州に置き、電子機器プリント基板、製造装置などの品質に対する国際標準規格を定めている国際的な業界団体。IPCの規格は世界各国の自動車・車載部品、スマートフォン・デジタル家電、航空機器、医療機器など多様な製造業が採用している。

 日本では、はんだ付けロボットメーカーのジャパンユニックスがIPCの総合代理店となり、標準規格書の販売と、セミナーなどにより規格の普及を行っている。

 今年1~3月の3カ月間で4種類の新訳規格と2種類の改版翻訳を発行した。特に要望の多い、車載用プレスフィット規格と、コンフォーマルコーティングを新たにラインアップに追加した。

 新規規格書「IPC-9797:車載要求事項および他高信頼性用途のプレスフィット規格」は、エレクトロニクス業界で高信頼性用途で採用が増えているプレスフィットのIPC規格の日本語版。主に自動車・車載品質の要求を満たす内容になっている。IPC-9797は、プレスフィットピンの要求事項と許容基準に関する業界合意による唯一の規格で、無はんだによるプレスフィットピン接続の材料、工法、試験、許容基準について記述されている。

 「IPC-CC-830C:プリント配線板組立用電気絶縁化合物の認定および性能」は、電気絶縁化合物(コンフォーマルコーティング)の認定と適合要件について確立するもの。コンフォーマルコーティングという用語は、プリント配線板組み立てに使用される保護コーティングのタイプを指す場合に用いられる。単に機械的な支持をもたらすものではなく、湿気と汚染から基板を保護し、電気絶縁を目的としている。

 このほか、最新の日本語版として「J-STD-002E:部品リード、電極、ラグ、端子およびワイヤーのはんだ付性試験」「IPC J-STD-003C:プリント基板のはんだ付性試験」「IPC/WHMA-A-620D:ケーブルおよびワイヤーハーネス組立品の要求事項および許容基準」「IPC-6012E:リジッドプリント板の認定および性能仕様」などがある。