2021.06.03 【パワーデバイス/ロボット・ドローン用部品技術特集】KOA、各種SMD部品を提供電流検出用低抵抗器やバリスタなど
[写真13]チップバリスタ
電子機器の多機能化・高機能化によりさまざまな動作電圧のICが増えている。当社はローカル電源であるDC-DCコンバーター用途に、電流検出用低抵抗器や高精度抵抗器、電流ヒューズ、バリスタなど、各種SMD部品を提供している。
省電力を目的としたパワーマネージメントで使用される金属板の低抵抗器では、豊富な種類・サイズをそろえており用途に合わせた選択が可能である。TLRシリーズ(写真1)は0.5~20mΩ、抵抗値許容差1%、抵抗温度係数±50×10-6/Kであり、寄生インダクタンスを極力排除しているため高精度な電流検出が可能である。また、2012mmサイズで1W、3216mmサイズで3W、6432mmサイズで5Wと小型・高電力化により最大100Aまでの電流検出を可能とした。豊富なラインアップにより、用途や電流値に応じた最適な提案が可能となっている。
また、金属板素子を樹脂封止した構造のSLシリーズ(写真2)は、抵抗値3mΩ~、定格電力~7Wの仕様を持つ。
そのほか金属板チップジャンパーとして回路基板内パワートレインの大電流、低抵抗、高熱容量化に対応したTLRZシリーズ(写真3)を1005~3216mmの豊富なサイズラインアップでそろえ最大50Aの定格電流を実現している。同じく樹脂封止構造で高いヒートサイクル性を有するジャンパーとしてSLZ(写真4)もラインアップしている。
厚膜タイプでも低抵抗領域において高精度の電流検出が可能になっている。100mΩ以下の低抵抗領域で抵抗温度係数±75×10-6/K~の高精度に対応するUR73Vシリーズ(写真5)と、長辺電極構造により高い定格電力1.5Wと耐ヒートサイクル性を実現したWU73シリーズ(写真6)をラインアップしている。
インバーター回路には容量負荷や誘導負荷が多数存在し、回路内でサージやパルスが発生する。このような用途にはサージ・パルス負荷に対する耐性を高めたチップ抵抗器SG73シリーズを推奨している。ESD限界電圧を保証するSG73S(写真7)、パルス限界電力を保証するSG73P(写真8)に加え、耐パルスで高精度抵抗温度係数±50×10-6/K、抵抗値許容差±0.25%のSG73Gをリリースしている。また、高温環境下での用途向けに、最高使用温度200℃に対応する耐パルス抵抗器のHSG73Pシリーズ(写真9)(1005~3216mm)をリリースし、金めっき電極を採用することで導電接着剤での実装を可能としている。
また、高精度抵抗器のRN73Rシリーズ(写真10)は動作使用温度 最高155℃を実現した薄膜チップ抵抗器で、さまざまな回路で求められる高精度、高安定性を実現する。主な仕様は、定格電力 0.063~0.25W、抵抗値範囲 10Ω~1.5MΩ、抵抗値許容差 最小±0.05%、抵抗温度係数 最小±5×10-6/Kの高精度を実現している。
過電流保護対策用のSMDヒューズでは、薄膜チップ型のTF10(1005mm、定格電圧32V)、TF16(写真11)(1608mm、定格電圧32V)、樹脂封止型のCCP(3216mmまたは3225mm、定格電圧40~76V)がある。また、セラミックケース型のCCF(写真12)(6025mm、定格電流0.4~15A)は、PSE認定品であるため100V電源の一次側回路で使用が可能である。
過電圧保護対策用のチップバリスタ(写真13)では、0603~5750mmサイズを用意し、ディスクバリスタのSMD化に対応する。
NV73C2Lでは、φ14mmのディスクバリスタと同等のサージ耐量(4500A)を有した製品もラインアップしている。
また、KOAは白金薄膜温度センサ、リニア抵抗器など各種温度センサーを豊富に取りそろえており、各種要求に対応する製品拡充を進めている。
〈KOA(株)〉