2021.08.11 キヤノンS&S 中小企業のDX化支援 セキュリティー対策を強化

 キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)グループが、セキュリティー事業戦略を加速する。グループのキヤノンシステムアンドサポート(キヤノンS&S)が、新たに中小企業向けに、ニューノーマル(新しい日常)の働き方に対応したセキュリティー対策ソリューションを提供開始した。中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)をセキュリティーで支援する。

 キヤノンMJグループは、先に発表した長期経営構想「2025年ビジョン」で、ITソリューション(ITS)事業を成長戦略の核に据える。グループの25年の売り上げ目標6500億円の内、ITSで3000億円を計画する。中期経営計画では、23年にセキュリティーで380億円(20年280億円)、ITアウトソーシング(ITO、BPO)で210億円(同135億円)を見込んでいる。

 同グループの強みは、全国ベースの顧客基盤とサービス拠点。キヤノンS&Sは、全国170のサービス拠点を持つ。

 中小企業は、IT専任者が不在などの課題を抱え、デジタル化が遅れ、特にセキュリティー対策は、喫緊の課題となっている。キヤノンS&Sでは「中小企業は、人的リソース不足により、IT専任者がいる割合は低く、日常的なセキュリティー対策に取り組むことができていない。また、ウイルスソフトは導入していても、UTM(統合脅威管理)の導入は2割程度」と、セキュリティー対策の遅れを指摘する。

 今後、ますます重要になってくるのが、テレワークなどのニューノーマルな働き方を狙ったサイバー攻撃など新たなセキュリティー脅威への対策だ。

 キヤノンS&Sでは今月上旬から、ニューノーマルの働き方に対応したセキュリティー対策ソリューション「まかせてIT セキュリティ対策安心パック」を中小企業向けに販売開始した。

 ウイルスなど外部からの脅威を防ぐ統合管理の「FortiGate」と、万一ネットワークに侵入されした際でも、社内ネットワークを守る「Sub Gate」に加え、運用サポート、保守をセットで提供する。「最適なITの導入だけでなく、保守対応までトータルで対応」(同社)することで、中小企業のDX化を支援していく。