2021.08.18 【コネクター総合特集】産業機器/インフラ用コネクタースマート工場化など対応、多極化・高性能化を求める

最大25A対応のフィールドアタッチャブルコネクター

 コネクター各社は、FA機器/半導体製造装置や5G通信インフラ、データセンター、4K/8K映像システム、監視カメラ/セキュリティー機器などの各種産業機器用コネクターの開発に力を注いでいる。

 製造装置や工作機械、産業用ロボット向けのインターフェースコネクターは、マシンの小型・高性能化に対応するため、小型・堅ろう・長寿命・高速通信対応などが重視される。加えて、スマートファクトリー化やIoT化で機器間通信の高速化や多機能化ニーズが強まり、一層の多極化や高性能化が求められる。

 産機用丸型コネクターは、ワンタッチロック嵌合方式の防水丸型タイプなどの提案が進む。ワンタッチロックで嵌合操作性に優れ、経年変化によるねじ緩みも解消されるため、信頼性やメンテナンス性向上に貢献する。汎用(はんよう)RJ45ジャックと比較し、レセプタクル体積を大幅に削減するワンタッチ完全ロック式の産業機器向けインターフェースコネクターなども開発された。

 5G基地局用には、防水小型光インターフェースコネクターや45ギガヘルツ対応高周波同軸コネクター、放熱ニーズに対応するFAN用フローティングコネクターなどを提案する。

 電源コネクターは、200A/250A対応や、従来品と同等の電気容量に対応しつつ小型化した製品開発などが進展。安全性向上のため、堅ろう性や防水性も重視される。

 産業機器向けのフローティングコネクター開発も進んでいる。SATA規格相当の高速シリアル信号伝送が可能な高速伝送対応0.5ミリピッチフローティングコネクターや、狭ピッチを追求した0.4ミリピッチフローティングコネクターなどが製品化され、多様な取り付けニーズへの対応や極数展開が進む。通信インフラ用では、次世代高速大容量インフラ向けに、56ギガ/28ギガbps対応などのハイスピードコネクターの開発が活発だ。

 4K/8K放送機器用は、12G-SDI伝送対応BNC同軸コネクターや高速伝送光コネクションの開発が進展。8Kの機器間接続では数多くの同軸コネクターが必要だが、これを代替するためにU-SDI対応多芯光ケーブルによる一括接続が提案され、一部実用化された。石英ファイバーに加え、靭性や施工性、安全性に優れるプラスチックファイバーによる光コネクター開発も行われている。

 医療機器向けでは、MRIやCTなどの画像診断装置向けに高速画像伝送用コネクターが使用されるほか、手術関連向けに滅菌処理に耐えられる特殊ケーブルアセンブリの提案が進む。