2021.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】TJPOが日台企業のオンラインビジネスマッチング開催

Jorjinのスマートグラス

GiSの3D顔識別機GiSの3D顔識別機

9月15日から11月5日までICT関連企業50社参加

 新型コロナウイルスの感染拡大により、あらゆる業種・業態でデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)が加速している。IT・エレクトロニクス機器の製造が盛んで、ハイテク産業に関わるサプライチェーンにおいて重要な役割を担うのが台湾だ。台湾のハイテク産業は国際的なつながりが強く、人工知能(AI)やIoT、5G(第5世代移動通信規格)など先端技術の産業集積も進んでいる。依然として新型コロナウイルスが猛威を振るう中、新たな生活様式の担い手として、先端技術を応用したソリューションへの期待が高まる。日本・台湾の連携による技術革新を促進し、新たな価値創造が求められている。

 台湾経済部(日本の経済産業省に相当)の外郭団体である「台日産業連携推進オフィス」(TJPO)は、日台企業間の連携を促進し、相互補完による産業の発展とグローバル市場の開拓に努めている。AIやIoT、5Gなどの先端技術を活用し、人々にどのような新しいサービスを提供できるかを日台共同で模索するとともに、両国の企業同士の連携を後押しする。

 TJPOは9月15日~11月5日の期間、「日台連携新時代の共創・協働事業戦略」と題し、台湾企業と日本企業との「オンラインビジネスマッチング2021」を開催する。

 台湾側からは、台湾政府の情報通信産業の推進および政策立案のためのシンクタンクである財団法人資訊工業策進会のネットワークを生かし、最新のAI、IoT、セキュリティー技術を有するICT関連企業50社が参加する。台湾企業の最新ソリューション(ソフトウエア・ハードウエア)を製造業や医療・ヘルスケア、Eコマース(電子商取引)、交通、物流などのカテゴリーに分けて紹介する。

 台湾企業が持つこれらの最新ソリューションを、日本のSI企業やソリューションプロバイダーに提案することで、新たなソリューション創出につなげることが狙い。日台企業双方の特徴を最大化し、新たなビジネスチャンス創造の機会にしていく。

 製造業向けには、スマートファクトリーを実現するソフトウエアや自動化ソリューションに強みを持つ企業が多数参加する。

 自動化ソフトウエアを専門とするSMA SOFT社は、ロボットアームや工業用カメラ、AOIなどの検査機器にAIを組み合わせる技術を持つ。独自の分散型AIフレームワークで同時に複数のAIモジュールを分析可能。迅速な導入と簡単な操作ができるスマート工場の自動化開発プラットフォームを提供する。

 新型コロナウイルス感染症拡大防止や効率的な医療サービスの実現を目指し、医療・ヘルスケア分野向けのソリューションは盛ん。簡単に体温測定が可能なソリューションやセンシング技術を活用したスマートマットレスなど、多様なソリューションを紹介する。

 iAMBITIONテクノロジー社は、AIを利用した3Dイメージングとミリ波レーダーセンサー技術を組み合わせた「AI介護識別サービスシステム」を提供している。介護施設における見守りなどにも活用されている。

 Eコマースや小売り分野では、サイバーセキュリティーが重要。テレワークの拡大も後押しし、2020年は台湾の情報セキュリティー関連製品の売り上げが前年比11.9%増の552億台湾ドルに達した。

 TeamT5社は、サイバー脅威の研究を専門とする企業で、その製品とサービスは世界のトップ100企業で導入されている。台湾では国防、金融、ハイテク産業、政府機関のほか、大規模なセキュリティーオペレーションセンター(SOC)、情報セキュリティーコンサルタントにも採用されている。サイバー脅威情報分析や悪意あるアクティビティーを検出するソリューションプラットフォームを紹介する。

 エネルギーや物流、輸送分野向けには、画像センシング技術や画像処理技術を有する企業が多い。AIMobile社は、あらゆる産業分野の環境に合致した専門レベルの商品設計と製造に尽力しており、産業用スマートソリューション(AI・IoT)を提供している。カスタマイズされた高度なソリューションは交通、物流、倉庫、工場および公共施設の管理などを含む多方面で応用されている。