2021.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】大塚商会 大塚裕司社長

大塚 社長

今後、自社のAIノウハウを外販

 2020年は前半で新型コロナウイルスの影響を受けたものの後半からは対面商談とオンライン商談を併用した営業活動を推進するなど、リアルとバーチャルを融合した提案を進めてきた。

 今年は毎年2月に開催している「実践ソリューションフェア」を初の試みで会場とオンラインのハイブリッドで開催し、会場展示は招待制にしてじっくり見てもらうようにした。オンライン展示会は1カ月開催しセミナーなども目的を持って視聴してもらった結果、商談の決定率が大幅に上がるなど成果になった。

 20年と比べ確実に市場は動いている。テレワークが進むとともにデジタルトランスフォーメーション(DX)をキーワードにしたオフィス改革が進んできている。

 当社は顧客の声に耳を傾け課題を解決していく複合ソリューション提案に注力してきた。19年からは人工知能(AI)を活用した営業支援も本格化。AIが行き先や商材を推奨する商談の仕組みを活用し始め、21年上期はAI商談が前年同期比3倍の7万4300件まで増えた。社内の300人以上のAI有資格者がソリューション開発などを進めており、今後は自社でのノウハウを外販できるようにしていく。

 いち早くサービス展開してきたウェブサービスも311万人が利用するまでになった。同サービスの20年度売上実績は259億円で、クラウドサービスベンダーと比べても当社サービスの規模はトップクラスだ。セキュリティーに関しても25年前から取り組み、20年度で9万社に提供。クラウドやセキュリティーの領域で大塚商会をイメージする人は少ないかもしれないが、実績とノウハウは豊富にあることを改めて訴求していきたい。

 昨年コロナの影響が出た「たのめーる」(オフィスサプライ通信販売)も再び成長している。10月には国内最大規模のロボットストレージシステムを導入した横浜物流センターを開設し、需要に応えていく計画だ。

 下期の市場環境は不透明だが、DXの推進やオフィス丸ごとの複合提案をさらに強化し、計画達成を目指したい。