2021.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】NECプラットフォームズ 福田公彦社長

福田 社長

NEC連携と自主事業で成長へ

 足元の受注環境を見ると、昨年度並みの状況だ。5G(第5世代移動通信規格)の普及の進展などを背景に通信関連が好調に推移し、店舗や小売業からの引き合いも昨年度に比べて旺盛だ。

 ただ、世界的な半導体不足の影響がパートナーの製品に波及しており、「受注を受けてもモノが提供できない」という状態が続いている。7~9月期も半導体不足の影響が残り、年末ごろに徐々に影響が縮小するだろう。

 NECは、2025年度を最終とする5カ年の中期経営計画を策定した。その基本方針に沿ってNECと連携し新たな顧客価値を創出する「NEC連携事業」と、顧客との共創で価値創出を目指す「自主事業」を両輪に業績の拡大を目指す。

 NEC連携事業では、ハードウエアを開発・生産する強みを生かしていく。例えば、当社甲府事業所に、エリア限定で5Gを利用できる「ローカル5G」環境を構築した。製造現場のリモート化と自動化に向けた実証実験を進めながら、有効性を検証している。国内外の自社工場に順次ローカル5Gを導入して知見を蓄積する。将来的にはNECと連携し、製造業向けサービスを外販していきたい。

 自主事業では、市場規模が大きい「オフィス」「リテール(小売り)」「公共」の3分野に重点を置く。リテールでは、来店客がスマートフォンで注文から会計までを完結できるシステム「モバイルオーダー」の展開に注力する。人同士の接触の機会を抑え、安心な店舗環境を実現できる。さらに、フレキシブルな働き方を実現する機能を集約した「オフィスプラットフォーム(基盤)」の提案にも力を入れる。

 NEC連携事業と自主事業を強化するため、4月に組織体制を再編した。企業と社員が貢献し合うような状態「エンゲージメント」を高めようと、4月に社内横断組織「カルチャー変革室」を新設。社内のSNSツールを使い、コミュニケーションの活性化を促している。社員自らが目標を設定して課題を見つけ出し、解決に向けた取り組みをリードする。そんな人材が集まる組織にしたい。