2021.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】NECネッツエスアイ 牛島祐之社長
牛島 社長
共創モデルで成長機会拡大めざす
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を懸念していたが、2022年3月期第1四半期(4~6月)の決算は好調だった。DX(デジタルトランスフォーメーション、デジタル変革)関連のサービスが伸びた。
コロナ禍でも、5G(第5世代移動通信規格)や社会基盤に関する事業は堅調に推移した。働き方改革に向けてデジタル技術を活用したいという企業からの注文も着実に増えてきている。
ただ、コロナ感染の再拡大に半導体不足などのリスク要因が重なり、予断を許さない状況だ。昨年度は児童・生徒に1人1台の端末を配備する「GIGAスクール構想」の特需が訪れ、売上高全体の約10%を占める主力事業に育った。今年度はその特需が消え、落ち込みをカバーできるかが重要になっている。
コロナを機に新しい仕事の仕組みをつくることが多様な産業の共通課題となる中、ビジネスチャンスが広がるとみている。さらに成長機会の拡大に向けては、5Gをエリア限定で利用する「ローカル5G」に関する実験環境を拡充した。既に昨年11月、技術開発の拠点「新川崎テクニカルベース」(川崎市幸区)内に5Gラボを開設しており、5Gを生かしたサービスを顧客と共創する活動に弾みをつけたい。
7月には、リアルとバーチャル双方の働き方を融合した「ハイブリッドワーク」の実証活動を始めた。働き方の選択肢は広がる方向にある。07年から「働き方改革」に向き合い、自社実践と顧客との共創を通してノウハウを蓄積してきた。そうした実績を土台に、さまざまな顧客のシーンに適したサービスをコンサルティングの段階から提供できる強みを発揮する。
「デジタル×5G」時代を見据えた中長期の成長を目指し、19年度に立ち上げた3カ年の中期経営計画では「共創モデル」を中心軸に据えた。先進的で多角的に顧客をサポートする体制づくりでは、さまざまな企業と課題の解決策を考える方が解決のスピードが速く、幅も広がる。それを徹底することで変化が激しい時代を乗り切り、一段の成長を追い求めたい。